...葉子は清潔な銀の匙(さじ)に少しばかりソップをしゃくい上げて貞世の口もとにあてがった...
有島武郎 「或る女」
...茶わんと匙(さじ)とを食卓にかえして...
有島武郎 「或る女」
...ぴかぴか光る匙が一本と見えてゐる...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...ココアのひと匙一九一一・六・一五・TOKYOわれは知る...
石川啄木 「呼子と口笛」
...やがてその桑の実の西洋皿へ匙をつけてお盆へ載せて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...馬左也氏は二千円を払つて茶匙を受取つた時...
薄田泣菫 「茶話」
...エヒミチは遂(つい)に匙(さじ)を投(な)げて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...和達さんというアンチモニーの匙(さじ)を初めて拵えた半分商人で半分職人の人がよく来て...
高村光太郎 「回想録」
...手のつけようがありませんね」八五郎もさすがに匙(さじ)を投げてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それでゴリオが帽子を被り直し、匙を持った時、彼はそれでテーブルを叩いてしまった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ギヤマンのコップやら匙やら賑かなほどに並べたて...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...しかし私はいかにも虔(つつ)ましそうにスウプの匙(さじ)を動かしていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...一人一人が自分の前にある粥の皿に匙を入れたりパンをちぎったりする前に三本の梭(ひ)を卓の上に置いた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...おりおりは和歌を誹(そし)る人に向(むか)いてさて和歌はいかように改良すべきかと尋ね候えばその人が首をふっていやとよ和歌は腐敗し尽したるにいかでか改良の手だてあるべき置きね置きねなど言いはなし候様はあたかも名医が匙(さじ)を投げたる死際(しにぎわ)の病人に対するがごとき感を持ち居(おり)候ものと相(あい)見え申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...コルンスタッチ即ち玉蜀黍(とうもろこし)の粉を小匙二杯水で溶いてそれへ加えて鍋をお湯の中へ入れてドロドロになるまで湯煎(ゆせん)にします...
村井弦斎 「食道楽」
...先ずバター大匙一杯でメリケン粉大匙一杯を焦(こ)げて黒くなるほどにいためて牛か鳥のスープを一合注して塩胡椒で味をつけたものです...
村井弦斎 「食道楽」
...素人(しろうと)がよく膨らせようとするには黄身の中へコルンスタッチ小匙一杯位を加えるとよく出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...その中へバター大匙一杯牛乳大匙二杯塩胡椒唐辛子(とうがらし)ナツメッグ少しずつとを混ぜてよく煉ってパンへ塗ります...
村井弦斎 「食道楽」
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