...銀の匙もて啜(すす)らせ...
太宰治 「創生記」
...何としても分りませんな」と兵曹は匙(さじ)を投げました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...私が匙(さじ)で掬(すく)って食べさせる...
谷崎潤一郎 「鍵」
...」学士は匙で茶を掻き交ぜながら...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...(明治四十年十一月十七日『東京朝日新聞』)四十ノルウェーの夫婦匙(めおとさじ)ノルウェーで結婚式の時に用いる木彫の匙(さじ)がある...
寺田寅彦 「話の種」
...警察でさえ絶望的と匙を投げた事件にも糸口を見つけ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...匙(さじ)やナイフさえ幾色か...
徳田秋声 「黴」
...件(くだん)の清人(しんじん)惜(を)しき事しつと云ひ顔に遽(あわ)てゝ床の上(うへ)なるものを匙(さじ)もてすくひて皿に復(かへ)されたるなど...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...銀の匙と小さな爪とが光りに映えていた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...一匙(さじ)の捏粉(こねこ)のうちに酢の一滴をたらせば...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これだから「滅びゆく島原」だと匙(さじ)を投げる者もある...
中里介山 「大菩薩峠」
...この自信が、匙一本で、幾千の人を、生かしたり、殺したりする自信だからたまらない...
中里介山 「大菩薩峠」
...折助連は道庵の匙加減に恐れ入ってしまっているところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...モオリーはどこかへ行って角砂糖挾み(シュガートング)と辛子匙(ムスタードスプーン)と椅子を持ってきて...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...ポーンと匙を投げるところ二カットでチョン(斎藤寅さんが蒲田時代に使ったギャグなり)...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私の分を一匙(さじ)二匙(さじ)貪(むさぼ)り食べたが空腹(くうふく)のせつない苦痛が和らいで見ると...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...一匙の蜂蜜をことわるよりも...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...別にフライ鍋へ大匙一杯の上等なバターを溶かして右のお米一合ほどを入れてよく掻廻(かきまわ)しながらお米の狐色になるまでいためます...
村井弦斎 「食道楽」
便利!手書き漢字入力検索