...今は匙(さじ)を投げてしまいました...
海野十三 「崩れる鬼影」
...先刻(さつき)の肉汁(スウプ)は匙(さじ)もつけないで残つてゐたので...
薄田泣菫 「茶話」
...おりんにしても匙を投げるにきまつてゐる...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...件(くだん)の清人(しんじん)惜(を)しき事しつと云ひ顔に遽(あわ)てゝ床の上(うへ)なるものを匙(さじ)もてすくひて皿に復(かへ)されたるなど...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...ブラウンは牛乳を数匙(さじ)彼女の口に入れてみた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...泡匙の穴よりもっと小さな穴が無数にあけられていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今日はとうとう匙(さじ)を投げましてございます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...食卓(ターブル)の上には銀の肉刺(ハーカ)や匙(レーブル)が美しく置かれ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...一人一人が自分の前にある粥の皿に匙を入れたりパンをちぎったりする前に三本の梭(ひ)を卓の上に置いた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...匙などしまってある...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...一旦(いったん)よく混ざった処でまた一杯入れて混ぜてまた一杯入れるという風に少しずつ幾度(いくど)にも入れては混ぜてサラダ油が大匙三杯入ったらば一番後に西洋酢を大匙一杯半位加えます...
村井弦斎 「食道楽」
...スープ大匙五杯入て弛め塩胡椒にて味を付け弱火にて二...
村井弦斎 「食道楽」
...先ずバター大匙一杯でメリケン粉大匙一杯を焦(こ)げて黒くなるほどにいためて牛か鳥のスープを一合注して塩胡椒で味をつけたものです...
村井弦斎 「食道楽」
...本式は今の中へ玉子の黄身二つとセリー酒大匙一杯を加えて黄(きいろ)くするかあるいは今の品を火から卸(おろ)して一合のクリームを泡立てて混ぜて白く致します...
村井弦斎 「食道楽」
...玉子二つとバター中匙半分と牛乳中匙一杯とアンチョビ中匙八分目と塩胡椒少しとを皆(み)んな一つに混ぜ合せて鍋の中でよく炒(い)ってトースパンへ載せます...
村井弦斎 「食道楽」
...匙加減をして真面目くさったり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...いまでは友人たちも匙(さじ)を投げてしまった...
山本周五郎 「あだこ」
...楽翁も匙(さじ)を投げた...
吉川英治 「大岡越前」
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