...鉄を尖端にかぶせた面白い匙鍬(シャベル)を示したものである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...「立派な茶匙がある……」小文さんも巧(うま)いことを言つたが...
薄田泣菫 「茶話」
...到頭私はこの面倒臭い手紙に匙(さじ)を投げてしまいました...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...薄めたお茶を茶匙に二三杯と...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...由緒のある銀の匙もいつか母にさへ忘れられてたのである...
中勘助 「銀の匙」
...一度は匙(さじ)で突き砕(くだ)いた水瓜(すいか)の底から湧(わ)いて出る赤い汁を飲まして貰(もら)った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...大きい方がやがて壺の中から一匙(ひとさじ)の砂糖をすくい出して自分の皿の上へあけた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...最早匙も藥も及ばず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕月を銀の匙かと見て思ふ我が脣も知るもののごと夕月を銀の匙と迄は或は感じ得るかも知れない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それは玉子二つへ牛乳一合と砂糖を大匙二杯と少しずつ混ぜながら入れて箸(はし)でよく掻(か)き廻(まわ)してドロドロにしたものを茶碗蒸(ちゃわんむし)の茶碗なら上等ですしあるいは御飯の茶碗へ入れて冠(かぶ)さるほどの皿を蓋(ふた)にしてもようございます...
村井弦斎 「食道楽」
...それを上等にしますと二合のクリームばかりへ粉砂糖大匙三杯混ぜて別段湯煎にしないでもザット沸立(にた)たせて香料を加えて固めます...
村井弦斎 「食道楽」
...別に篩の中へメリケン粉を大匙五杯にベーキングパウダー即ち焼粉(やきこ)を大匙一杯入(いれ)て篩出(ふるいだ)します...
村井弦斎 「食道楽」
...その時前の物を大匙へ一杯ずつ掬(すく)って油の中へそうっと落して気長に揚げますが揚がったと思う時分小楊子(こようじ)を刺し込んでみて何も着いて来なければ新聞紙か西洋紙の吸取紙(すいとりがみ)の上へ一つ一つ置いて油を切ります...
村井弦斎 「食道楽」
...黙ってライスカレーの匙(さじ)を使っていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...匙(さじ)を投げかけた記者東京はこんな風に...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...音に名高い利休の茶匙(ちゃさじ)...
夢野久作 「名娼満月」
...二つに竪(たて)に割りて中子(なかご)を匙(さじ)にて食へと教へ申し候(さふらふ)...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...今日は匙(さじ)を投げてしまった...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
便利!手書き漢字入力検索