...匆々両耳を塞がざるを得ない...
芥川龍之介 「上海游記」
...匆々(そうそう)タオルと石鹸を持って飛び込んで来たのだった...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...挨拶(あいさつ)もせずに匆卒(いきなり)彼(かれ)の兩手(りやうて)を握(にぎ)つて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...時間が無いので匆々(そこそこ)に別を告げた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...歳月は匆々(そうそう)として過(すぐ)ること二十五年...
永井荷風 「枇杷の花」
...余は何故匆卒に其宿を立つてしまつたのであつたかとそれも分らぬ...
長塚節 「佐渡が島」
...匆々(そうそう)に逃げ帰って来るのが普通であった...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...宗助は匆々(そうそう)にまた宿の浴衣(ゆかた)を脱(ぬ)ぎ棄(す)てて...
夏目漱石 「門」
...信濃の武田四郎勝頼が、穴山梅雪との契約をふいにして、娘を信豊にやった紛(もつ)れから、武田と穴山が不和になり、来年の正月匆々、勝頼父子は諏訪の上原あたりへ押出す...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...新婚匆々の細君を携帯して...
久生十蘭 「白雪姫」
...四十一年の正月匆々壊疽(えそ)になり...
久生十蘭 「新西遊記」
...知世子は匆々に着換えてラウンジへ出て行ったので...
久生十蘭 「予言」
...匆々(そうそう)一小塾舎を経営して洋学に従事したるその時は...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...匆々牧野生瀬川村長 机下六(エハガキ――新東京風景に添へて...
牧野信一 「初夏通信」
...その間に人知れぬ希望と楽しみがなくちゃ……しかも姉の新婚匆々時代の紅い服を着て歩きまわるところなんぞは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...では……たしかに、おあずかりして」と、貞盛は、匆々に、そこのあばら屋同然な門を辞した...
吉川英治 「平の将門」
...これには、深い仔細もあり、御災厄は、何とも、お察しされますが」しどろもどろに、いいつくろい、匆々、護の前を立ち去った...
吉川英治 「平の将門」
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