...しかし匆卒(そうそつ)の間(あいだ)にも語(かた)ることの出来るのはこれだけである...
芥川龍之介 「滝田哲太郎君」
...僕は匆々(そうそう)市庁を飛びだした...
海野十三 「深夜の市長」
...挨拶(あいさつ)もせずに匆卒(いきなり)彼(かれ)の兩手(りやうて)を握(にぎ)つて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...二マイルもの遠方から水路を導くのに一応の測量設計もしないでよくも匆急(そうきゅう)の素人仕事(しろうとしごと)で一ぺんにうまく成効したものだという気がした...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...目の少しぎょろりとした継母は匆々(そうそう)にお辞儀をして出て行って...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼等は匆惶(そそくさ)と帰途に就いた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...匆々(そうそう)に逃げ帰って来るのが普通であった...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...まずは右当用迄匆々(そうそう)不一」読み終った小野さんは...
夏目漱石 「虞美人草」
...宗助は匆々(そうそう)にまた宿の浴衣(ゆかた)を脱(ぬ)ぎ棄(す)てて...
夏目漱石 「門」
...四十一年の正月匆々壊疽(えそ)になり...
久生十蘭 「新西遊記」
...殿様には若年の折から驚癇(きょうかん)の持病があられるので、大方はそのことと合点し、匆々、関の御本陣へ落着するなり、耳盥に水を汲ませて頭熱(ずねつ)の引下げにかかったところ、殿様は「おのれは医者の分際で、病の上下も弁えぬのか」といきられ、片膝をあげてふぐりを見せた...
久生十蘭 「玉取物語」
...兵馬匆卒(そうそつ)の際...
福沢諭吉 「成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」
...それを聞くと浅田は匆々(そうそう)に店を出て...
松本泰 「秘められたる挿話」
...その間に人知れぬ希望と楽しみがなくちゃ……しかも姉の新婚匆々時代の紅い服を着て歩きまわるところなんぞは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……Mはまだ九州大学に着任匆々で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この帰りに更にロダン先生に逢つた事の嬉(うれ)しさを今此(この)旅先で匆匆(そうそう)と書いてしまふのは惜しい気がする...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...匆々(そうそう)と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...匆々(そうそう)に...
吉川英治 「平の将門」
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