...はた雪かとばかり匂うこの花盛りであるとか...
直木三十五 「死までを語る」
...薫蒸した麝香(じゃこう)のように匂うのでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...何か匂うんですか」とガラッ八...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浮気らしいところの匂うのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...匂うような青葉の色が眼に写ると...
林芙美子 「帯広まで」
...私は木の香のぷんと匂うべんとうを食べる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...大根畑の土の匂いが香ばしく匂う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ミルク鉢のあの匂いが――六時の朝食に出されるミルクに浸した百姓パンから立ちのぼる甘い香気が――今またぷうんと匂うような気がした...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...今夜は陸風が匂うのが早すぎた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...微風にうなずくたびに匂う肉桂(にっけい)園...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...大戸片里と露月庵に歓娯する事緑蔭にほの白く匂う空木(うつぎ)の花もすでに朽ち...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...白く匂う芙蓉(ふよう)の花のようなおもばせにそそがれているのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...肌理(きめ)の濃やかさの一層匂うように美しい風で喋っていた...
「海流」
...その……村子 匂う? あたし?……(相手のようすを見ているうちに...
三好十郎 「胎内」
...それがときをきって強く匂うように感じられた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...それともひるま陽に暖められた岩が匂うのか...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...匂う小右京の黒髪に...
吉川英治 「私本太平記」
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