...吃驚(びっくり)しやがって、早瀬は、と聞くから、夜遁げをしたよ、と威(おど)かすと、へへへ旦那、」め組は極めて小さい声で、「私ア高利貸だ、と思ったから……」話も事にこそよれ、勿体ない、道学の先生を……高利貸...
泉鏡花 「婦系図」
...勿体ないから、死んだらお葬式(とむらい)に使って欲しくって、お仏壇の抽斗(ひきだし)へ紙に包んでしまってある、それを今日使いたいのよ...
泉鏡花 「婦系図」
...勿体ないことである...
海野十三 「深夜の市長」
...まゆみちゃんのような人なら芸を捨てて勿体ないと思うけれど...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...ヤキ(木賃宿)には勿体ない...
種田山頭火 「行乞記」
...思えば勿体ない男……」と奥様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...此暇(このひま)を遊(あす)んで暮すは勿体ない...
二葉亭四迷 「平凡」
...勿体ない奴じゃ」(梅津朔造氏...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...女の鼻には勿体ないと女中が云いおったがね...
夢野久作 「二重心臓」
...勿体ないことを知らぬ息子だ...
吉川英治 「三国志」
...悪いようには取り計らわぬが」「勿体ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちひとりのものではない」「勿体ないおことばです」半兵衛は肩を落して俯向(うつむ)いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「勿体ないお宥(いた)わりです...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ費(つい)やしては勿体ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...――申しては勿体ないが...
吉川英治 「新書太閤記」
...ところへ、河内の一子、生年十七歳の若者が、台所を手伝っていたので、袴(はかま)も着けず、それへ来て、二老の前に両手をつかえ、「さてさて、御老人たちは、戦場からお残り遊ばした余生を、恥よとも、勿体ないとも、思し召さず、よくもまあ、退いた退かぬなどと、愚かな喧嘩がおできになりますな...
吉川英治 「新書太閤記」
...往き来の時間の費(つい)えも勿体ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...やや人心地のついた実性は、それが、裏方の君であったと後で聞かされて、「勿体ない」と、わら蒲団のうちで、合掌していた...
吉川英治 「親鸞」
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