...恐らく賊は同家の勝手元に忍び込んで...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...――お勝手元(もと)のことなぞでも本当に何にも出来ないのでございますから...
鈴木三重吉 「桑の実」
...勝手元の引出に金が無ければ買物に出かけないだけであった...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...今さらのように恐ろしがっているお里を勝手元へおいやり...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...狭い勝手元で下女が釜や鍋を磨いていたり...
田山花袋 「日本橋附近」
...女手のない家か何ぞのような勝手元や家のなかの荒れ方が...
徳田秋声 「あらくれ」
...好い女中がいなくて勝手元の滅茶々々(めちゃめちゃ)になったことも...
徳田秋声 「仮装人物」
...母が勝手元に立って行った隙を窺って...
豊島与志雄 「楠の話」
...お膳を勝手元へ出していると...
直木三十五 「南国太平記」
...平岡の勝手元(もと)の都合を...
夏目漱石 「それから」
...寮の勝手元から、ソロリと滑り出した人影、二人の潜んだ櫻の側へ差かゝると、「待て」「あツ」平次の手はその襟首へむんずと掛りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お勝手元で働いていた若い女房のお静でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...勝手元には七輪を煽(あほ)ぐ音折々に騒がしく...
樋口一葉 「にごりえ」
...勝手元に駈けあがり...
前田夕暮 「種紙の青む頃」
...多くは煮売屋(にうりや)の店先やまたは民家の勝手元で用いられた...
柳宗悦 「工藝の道」
...勝手元の苦しさも味わった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...平素勝手元不如意(ふにょい)を申し立てながら...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...勝手元へ立つとそこにも一そうつよい他人の家の匂いがする...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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