...もとより勝ち気な女の持ち前として...
伊藤左千夫 「春の潮」
...」――そないいいながら私の膝(ひざ)の上い打つ伏しなさって、涙でそこがびしょびしょに濡(ぬ)れるぐらい激しいに泣きなさるのんで、あんまりのことに何ちゅうて慰めたげたらええのんやら、――なんせ私の知ってる今日までの光子さんいうたら、花やかで、勝ち気で、いつもプライドに充(み)ちた眼エ耀(かが)やかしてなさって、そんな辛(つら)い思いしてなさったとはちょっとも見えしませんのに、その高慢な、女王みたいにエラそにしてなさった人が、プライドも何にも放ってしもて泣き崩れてなさる様子だけでも、ほんまに思いの外ですねん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...おちやんは勝ち気な人なれた子で...
中勘助 「銀の匙」
...勝ち気な母も不気味がったのは無理のない事だ...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...勝ち気な御息所が旧態を保たせていたとはいうものの...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...勝ち気ですばしこくて...
山本周五郎 「青べか物語」
...勝ち気でお侠(きゃん)なところはあったが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...たぐい稀(まれ)な勝ち気で...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...但しひじょうに勝ち気が強く...
山本周五郎 「半之助祝言」
...女は十八九歳の、小柄な躯(からだ)つきで、勝ち気らしい、だが美しい顔だちをしていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しかし勝ち気な性分で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...江戸ッ子の女は勝ち気だと云いますから...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...ただ一言云った千鶴子の勝ち気のためかあるいはカソリックの仕業であろうか...
横光利一 「旅愁」
...女子でもすぐれた者になってみせる道はいくらもあろうに」於通のことばに勝ち気が出ていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――京都(みやこ)の巷(ちまた)で見たころの親鸞の顔には、もっと険(けわ)しいものがあった、勝ち気があった、世に負けまいとする鋭い眼があった、物いえば烈々と人を圧しる唇あり、起てば、群小を睥睨(へいげい)する威風があった...
吉川英治 「親鸞」
...そして勝ち気らしい印象を受けた...
若杉鳥子 「旧師の家」
...それは女らしい勝ち気以上の何物でもない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...この種の勝ち気の例は...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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