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榎南謙一 「夜雲の下」
...観る者が一歩動くとその輪郭が忽ち動揺する...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...立ってもいられぬくらい動揺する...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...That Derby Day視野のかぎり茫漠たるゆるい芝生の起伏に、ありとあらゆる類型の乗物と音律と人種と高調と、そして体臭と悍馬(かんば)と喚声と溌剌(はつらつ)とが原色の大洋のように密集して、そいつが世にも大々的(スマッシング)な上機嫌(ハイ・スピリト)のもとに一つに団結して跳躍する、動揺する、哄笑する、乱舞する――何のことはない、くりすます前の市ぜんたいの玩具屋の全商品を、一哩(マイル)平方の玉突台のうえへぶちまけて、電気仕掛で上下左右にゆすぶりながら、そこへ、あめりか中の女学生を雇ってきて足踏踊り(ステップ・ダンス)をおどらせ、巴里(パリー)のキャバレ女に香水を振り撒かせ、猶太(ユダヤ)人に銀貨をかぞえさせ、支那の船員に口論させ、そばで西班牙(スペイン)人と伊太利(イタリー)人に心ゆくまで決闘をゆるすような、ひと口にいえば、なんともすさまじい享楽と騒擾(そうじょう)の一大総合場面――バグダットの朝市場ほど噪(さわ)がしく、顛狂院の宴会できちがいの大群が露西亜(ロシア)バレイを踊ってるほどにも奔流的な光景(キイド)を呈するのが、馬の謝肉祭――いぎりすの、NO! この世界のダアビイだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...それ故此の変更によってカントに基く認識論は少しも動揺するものではない...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...批評がこの枢軸の周りを動揺することは避け難い...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...しかし気持の動揺するようなことはない...
外村繁 「落日の光景」
...鯨舟はこっぱのように動揺する...
中里介山 「大菩薩峠」
...毛に附着した雪の結晶が激しく動揺する位であった...
中谷宇吉郎 「雪」
...世界はかように動揺する...
夏目漱石 「三四郎」
...遽(にわ)かに人々の動揺する姿を見た...
原民喜 「死のなかの風景」
...それは風の通路にあたりて動揺するがごとく...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...胸が大波のうねりを湛へて動揺するのを止め難かつた...
牧野信一 「創作生活にて」
...動揺する船の窓から灯台を眺める心地で彼は熱心な瞳を娘に投げてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...何に動揺することもなく長く留守(るす)の間を静かに待っていてくれた人を...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どんな人を見ても心の動揺することなどはなかったはずである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...公の動かすべからざる制度習慣を動揺する私の心持(私的の理由はただ私的の決定権しかもたない)に従わせようとするのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...家臣の心が動揺する...
山本周五郎 「城を守る者」
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