...祭礼に通有な香のむしむしする間を着飾った娘たちが...
有島武郎 「カインの末裔」
...これはいろいろな野蛮民族に通有な考え方に該当しているのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...この国士型というは維新前後から明治初期へ掛けての青年の通有であって...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...あるいは彎曲的螺旋式(らせんしき)に見なければ気が済まない詩人哲学者通有の痼癖(こへき)があった...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...これすなわち悪人の繁栄と安泰を世に通有のこととして述べたのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...他人に見せつけたがっている人間に通有の...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...多少でも通有なものではなかったかと疑う...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...昔も今も通有な一種の偏狭なアカデミックの学風は...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...普通人々の有っている空間という概念――人々が普通有っている概念が必ずしも常識的概念ではないことを忘れてはならぬ――が...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...はじめて恐怖狼狽する人間の通有性を...
中里介山 「大菩薩峠」
...庄次は突然な出來事を聞かされて無垢な青年に通有(ありがち)な一種の慄ひを禁じ得ませんでした...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...かかる被告には通有とも云うべく皮膚は粗硬で色沢がない...
平出修 「公判」
...もともと一般の酒呑みの通有性で...
牧野信一 「露路の友」
...時々滴々と二勺不足位之御便通有之...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...何らの同情も介意もしない富豪通有の冷淡さが...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...それは有るのだという説のほうをもっぱら支持する通有性をもっている...
吉川英治 「三国志」
...まずはこのおなじ轍(てつ)を踏みはずさない人間通有の欲の目に迎えられ...
吉川英治 「私本太平記」
...この時代の南アメリカ植民地の通有のなやみは食糧難であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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