...のみならず文芸上の作品に必しも誰も動かされないのは彼にははつきりわかつてゐた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...若狭守はそれに動かされないわけに往かなかった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...二つの心がひとつになつてそれが何ものにも動かされないやうになる戀! 何ものに打突つても決して決して打壞されない戀! 金剛不壞な戀! 十年逢はなくつても一生逢はなくつてもかはらない戀! さうしたものをかの女は常に眼の前に描いた...
田山花袋 「道綱の母」
...それかといって性的に自ずから定まっている標準は動かされない...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...そうして思案にも心配にも容易に動かされないような...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...「巨頭」だってこの原因には意識的無意識的に動かされないとも限らない...
戸坂潤 「社会時評」
...ただ動かされない身分的な組織があるのである...
中井正一 「美学入門」
...苦痛のみを与えられた戦争孤児の純真な叫びに耳を傾けない者があろうか? 心を動かされない者があろうか?戦争孤児同盟はきっと平和運動の一つの中心体となるにちがいない...
永井隆 「この子を残して」
...酷刑に処せられた独り息子の運命にもさして心を動かされない様子で...
中島敦 「妖氛録」
...大して心を動かされない冷酷(れいこく)な人間だと思ふでせうね...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...動かされないと云う事を今の私は或る意味で非常にのぞんで居る事です...
宮本百合子 「動かされないと云う事」
...人の感情に動かされないような女はいやなものだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...訴えの詞(ことば)に多少の好奇心を動かされないでもない...
森鴎外 「カズイスチカ」
...第五十六章 祈りについてモンテーニュも若い頃には宗教改革の情熱に多少動かされないでもなかったらしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ架空の出来事だけでは動かされないというのに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ペン先などで動かされないような強情な性質の持主であった...
柳田国男 「故郷七十年」
...銭金(ぜにかね)で動かされないものは他には無いからね...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...愛と誠実とに動かされない場合は何事も言わず何事も書くまいと誓った...
和辻哲郎 「転向」
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