...かならず吉報(きっぽう)を持って帰るからといいながら一人で勇んで出かけていったのだ...
有島武郎 「星座」
...さればあアして勇んで歸られたものを...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...喜び勇んで最先に窓から飛び出したが...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...旦那のオオヴァを羽織って甲板に勇んで出て見るやら...
太宰治 「佐渡」
...』斯くて兩人は心勇んで(in high spirits)騎り進み...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...一時間も前から靴をはいて勇んで飛び廻っていた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...それを遮(さえぎ)ってくれたものだろうと喜び勇んで来て見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...士気がおのずから勇んで参ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...喜びの為めに勇んで云つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...三人は癪(しゃく)に障(さわ)るほど勇んで外へ飛び出した...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...ずいずいずっころばしを唄って帰ろうや」啓吉達が勇んで路地の中へ帰って行くと...
林芙美子 「泣虫小僧」
...旧友どもを見返すことができると勇んでおった折も折...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...とにかく指導者の人は山田先生のお弟子さんでありケイコのはじめには宮城をよう拝し公演開幕の前には「国民の誓い」を唱和する式でそれも腹からまじめにやっている人が多いのです私はそれを信じよろこび勇んで先頭に立って働いたそれに劇団の中だけには自由で進歩的な空気があったそして何よりもそこにはまだ芸術らしいものが有ったのです...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...金吾はよろこび勇んで紙入れを出しかけたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...――射手は敵の狼狽をうかがって、四林から矢をそそぎかけろ、――さすれば敵は怯(ひる)み、道は岩石大木に邪(さまた)げられ、やすやすと袁紹のところまで行くことができよう」「なるほど、名案ですな」呂公は、勇んで、その夜、ひそかに鉄騎五百を従えて、城外へ抜けだした...
吉川英治 「三国志」
...夏侯尚は勇んで立ち...
吉川英治 「三国志」
...――しかしどうにも気が勇んでこなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...馬さえあのように勇んでいる」「よかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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