...『大方(おおかた)劫(こう)を経た獺(かわおそ)にでも欺(だま)されたのであろう...
芥川龍之介 「竜」
...――その時間は永劫(えいごう)の前にもなければ永劫の後にもない――が現われながら消えていく……園は時間というものをこれほどまじまじと見つめたことはなかった...
有島武郎 「星座」
...遠き海洋(わだつみ)の劫初の轟きが籠つて居るといふ...
石川啄木 「雲は天才である」
...元朝(げんちょう)の暴政によってシナはついに劫掠(こうりゃく)征服せられ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...永劫(えいごう)が間(あいだ)世に出ることを戒(いまし)めたのであった...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...人間精神の本質と共に与えられた三種類の永劫な精神態度と認識形式なのであるから...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...死とは、自棄自暴して、生を断つことではなく、永劫の命、来世の生のために、喜んで赴くの心だ...
直木三十五 「南国太平記」
...寒くて億劫(おっくう)で...
夏目漱石 「永日小品」
...永劫(えいごう)に燃えさかる噴火口へでも投(ほう)り込もうと思ったのです...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...自然の悠々たる時劫(じこう)の外...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...億劫(おっくう)になりがちなわたしたちのために...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...その永劫の静寂の中で...
久生十蘭 「海豹島」
...永劫とも思える長い時間...
久生十蘭 「肌色の月」
...永劫の恋の夜よ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...私にして現象である以上の意味をもつことができないならば永劫の時の流の一つの點に浮び出る泡沫にも比すべき私の生において如何に多くのものがそのうちに宿されようとも...
三木清 「人生論ノート」
...永劫(えいごう)に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...今や我々はキャンプの恐怖がこの永劫の闇に閉ざされた墓所にも身の毛のよだつような手足を這い寄らせてきたことを知った...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...錢湯に行くすら億劫(おくくふ)であつた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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