...人間もこの規則に漏れず、体質のすぐれた者、勤勉なる者、運のよき者が、体質の劣った者、怠惰なる者、運の悪き者に比していっそう多くの財産を蓄積し使用すべきはもとより理の当然で、万人が万人ことごとく財産を平等にするというごときは、とうていできぬことである...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...先祖より譲られた財産によって神経筋肉ともに劣った者がおごり栄え...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...根がそんなに劣った子ではないのだから...
太宰治 「花燭」
...本当に私は自分を劣った作家だと思って素直にそれを申し上げているのだという事をさえ...
太宰治 「風の便り」
...万事に劣った人間を養子に迎えて...
太宰治 「春の枯葉」
...おどおどした劣った子である...
太宰治 「春の盗賊」
...方法の劣った人間が進んだ問題を提唱するのだから...
戸坂潤 「思想としての文学」
...何かの点で自分より劣ったやくざものを発見し...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...決して婦人の容姿は他国に劣ったものではないのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...犬畜生にも劣った折檻(せっかん)をされ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しからば和算家の眼中に西洋数学が日本より劣ったものに見えたのも無理からぬことであった...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...末法という機根の劣った時代には相応しない教であるのに反して...
三木清 「親鸞」
...まず汝と競駈(かけくらべ)して亀が劣ったら汝に食わりょうというと...
南方熊楠 「十二支考」
...常に劣った軍勢をもって五十二回の激戦に勝ったものでなければならぬ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どれほど劣った兵力をもってエジプト王国を従えようと企てたか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これもいずれ質の劣った米なのであろう...
柳田國男 「食料名彙」
...劣ったものを卑しめる...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
...このように才能の劣った人が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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