...現今の青年によつて嫌惡されること模倣の名の如く劇しいものは滅多にないであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...此樹の下から左に折れると凹凸(でこぼこ)の劇しい藪路...
石川啄木 「葬列」
...お島は劇しい侮蔑を感じた...
徳田秋声 「あらくれ」
...雨風のかなり劇しい晩で...
徳田秋声 「黴」
...三十七一時劇しい興奮の状態にあった頭が...
徳田秋声 「黴」
...それは思いがけない程青江にとって劇しい責苦であるらしかった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...感情の劇しい興奮も弛んで來た...
南部修太郎 「疑惑」
...教頭の劇しい叱責と共に素氣(すげ)なく却(しりぞ)けられた...
南部修太郎 「猫又先生」
...暑い八月の東京の街路で時には劇しい議論をした...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...劇しい奪い合いのために...
久生十蘭 「海豹島」
...比喩的な表現を用いれば、六人の男どもは、膃肭獣の島の気質にならって、劇しい争奪の末、無残にも雌をひき裂いてしまった...
久生十蘭 「海豹島」
...いち日中そこから劇しい照りかえしがきた...
久生十蘭 「金狼」
...安南のボーキサイト礪山の採掘権を回って劇しい争奪戦を演じていることも...
久生十蘭 「魔都」
...毒藥の劇しい臭ひに充ちた...
堀辰雄 「春日遲々」
...他の獣も慌て過ぎて失心自暴する例あれど馬ほど劇しいものなし...
南方熊楠 「十二支考」
...それ自身が劇しい匂ひある清純な氣をもつて...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...はたきの音が殊に劇しいので...
森鴎外 「あそび」
...劇しい不快な気持を...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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