...死の恐怖と死後の想像とは幼年時代から少年時代にかけて久しく俺の生活の寂しく暗い一面を塗つてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...久しく県庁に勤めたで...
泉鏡花 「薄紅梅」
...久しく行き絶えてゐた濱町の怪しい家へこの夜を明しに行くと決心した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その構想を久しく案じていた小説である...
太宰治 「惜別」
...かれは久しく纏(まとま)つたものを書かなかつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...武男は墓標の前に立ちわれを忘れてやや久しく哭(こく)したり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...意気地(いくじ)のない私が案外にあれほど久しく...
永井荷風 「監獄署の裏」
...久しく机の上に置いてあった一篇の草稿は若しお雪の心がわたくしの方に向けられなかったなら...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...八幡宮で行われる流鏑馬が久しく廃(すた)れているから...
中里介山 「大菩薩峠」
...久しく顔を上げたなり...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...呉に去つてから久しく私達の家を訪れない貞雄君の顏が...
南部修太郎 「疑惑」
...頭から尻尾(しっぽ)まである魚を飯の菜にすると云う事は久しくない事なので...
林芙美子 「清貧の書」
...久しく話して黄色連は別れ去った...
南方熊楠 「十二支考」
...久しくあちこち動いていた様子です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...況(いわ)んや久しく物も言った事のない人間にイキナリ「先日はありがとう」なぞと言いかけられたら誰だって一応は警戒するにきまっている...
夢野久作 「少女地獄」
...沈痛な面色でやや久しく考えこんでいたが...
吉川英治 「三国志」
...久しく仰ぎ見ない師の房...
吉川英治 「親鸞」
...「久しく歩かれなかったから...
吉川英治 「宮本武蔵」
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