...口三味線(ざみせん)で間にあって、そのまま動けば、筒袖(つつッぽ)も振袖で、かついだ割箸が、柳にしない、花に咲き、さす手の影は、じきそこの隅田の雲に、時鳥(ほととぎす)がないたのである...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...弁松の膳(ぜん)――幕あいの食堂で――にむかって衛生御割箸(おんわりばし)をとった気になった...
谷譲次 「踊る地平線」
...敏子が台所から割箸を持って来た...
谷崎潤一郎 「鍵」
...――草鞋は割箸と同じやうに...
種田山頭火 「行乞記」
...「お客に割箸の一度使ったのを使うのは...
近松秋江 「うつり香」
...私はあんな人気が知れない」そういって割箸の新しいのなどには欠かさなかったお前の効々(かいがい)しい勝手の間の働き振りなどを...
近松秋江 「うつり香」
...割箸で飯を盛つてくれたり...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...そのまゝ寄り添つたなり静に割箸を取つて男に渡した...
永井荷風 「男ごゝろ」
...丼と惣菜や香の物を盛つた小皿に割箸を添へ...
永井荷風 「勲章」
...絹子はまた割箸を割つてそれを黙つたまま信一の手へ握らせたのだけれども...
林芙美子 「幸福の彼方」
...「割箸を一ぜん……副木(そえぎ)をやるので……」「割箸なら眼の前にある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...第四十七 杉の割箸(わりばし)それより数日を過ぎ...
村井弦斎 「食道楽」
...割箸を添えた事については僕も大に議論がある...
村井弦斎 「食道楽」
...白い手拭(てぬぐい)を畳んで膝(ひざ)の上に置いて、割箸を割って、手に持って待っているのである...
森鴎外 「牛鍋」
...割箸(わりばし)を取る...
森鴎外 「百物語」
...もし割箸があるとすれば...
山本周五郎 「季節のない街」
...一と束の割箸があり...
山本周五郎 「季節のない街」
...「ええおかげさまで」と水道端で割箸を洗いながらおるいさんは明るい表情でかみさんたちの問いに答える...
山本周五郎 「季節のない街」
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