...また私は二人の小さな男の子が、ある種の堅果か樹皮かを、刻むのを見た...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...刻むでゐたのを游心帖に押してみせた...
小穴隆一 「二つの繪」
...時計までが時を刻むのに飽きて思い悩んでいるかに見えるあの長いもの憂い静かな宵を知り...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...湖水の清澄な面(おもて)に皺(しわ)を刻むそよ風のような...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...眉根に皺を刻むことさえなく...
豊島与志雄 「憑きもの」
...あたかも暗闇(くらやみ)の中で時計の秒を刻む音をきくように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...肉感は身を隠しながらそこにやさしい跡を刻む...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それを見様見真似に与八が像を刻むことを覚えてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人参(にんじん)や大根を刻むことが道楽だといって片づけられているが...
林芙美子 「平凡な女」
...煖炉棚の置時計の秒を刻む音だけが...
久生十蘭 「肌色の月」
...早間に刻む拍子木の音いろとともにスルスルと御簾が下りていった...
正岡容 「小説 圓朝」
...どうしても自分の名前も一所に刻むのだと言ひ張つて聽かなかつたんですよ...
水野仙子 「響」
...誰が画き誰が刻むとも...
柳宗悦 「工藝の道」
...確実な資料のもとに誤りなき存在を歴史に刻むようになったのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...時を刻む秒読みのような音であり...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...手脚でも切り刻むやうに...
吉川英治 「折々の記」
...生活の一瞬(いっとき)一瞬を刻むがように...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほどなく五刻半(いつつはん)の時計が、奥深い所で、時を刻むと、五名の老中が、そろって、席に着いた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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