...彼等は柱時計の時を刻む下に...
芥川龍之介 「秋」
...カミン爐の上の置時計の時を刻むチクタクが聞える許り...
石川啄木 「新しい歌の味ひ」
...ちょきちょきと細(こま)かに俎(まないた)を刻む音...
泉鏡花 「霰ふる」
...碧童またこのことばを珍重し印に刻むといふ時代であつた...
小穴隆一 「二つの繪」
...煙草を刻む時には誰だってポケットナイフを使いますからね...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...時計までが時を刻むのに飽きて思い悩んでいるかに見えるあの長いもの憂い静かな宵を知り...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...もう一つは懐中時計でベットの頭の手すりにつるしてある――この二つの時計の秒を刻む音と...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...眉根に皺を刻むことさえなく...
豊島与志雄 「憑きもの」
...肉感は身を隠しながらそこにやさしい跡を刻む...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...闇の中で時計の秒を刻む音が印象深い...
永井隆 「長崎の鐘」
...わが草木(さうもく)とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべき...
萩原朔太郎 「父の墓に詣でて」
...彼はいつも神経を斫り刻むおもいで...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...歴史的時間を刻むための單位を與へるといふばかりでなく...
三木清 「歴史哲學」
...薬味(やくみ)にもニンニクを刻む...
村井弦斎 「食道楽」
...確実な資料のもとに誤りなき存在を歴史に刻むようになったのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...十二月になると一日一日に時を刻む音が聞えるようである...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...仏像を刻む店々の中から楠(くすのき)の割れる音が響いて来た...
横光利一 「上海」
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