...玩具(おもちゃ)よりもわずかに大きい馬車が小刻みにことこと歩いているのは幼目にもハイカラに見えたものである...
芥川龍之介 「追憶」
...小刻みに縁を走って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...ただ軍刀の柄頭を握(にぎ)った隊長の手が小刻みにふるえるのを宇治ははっきり見たのだ...
梅崎春生 「日の果て」
...静かに歩くやうな容をしながら足を小刻みにして急いだ...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...おまけに四つ脚でひょこひょこ小刻みに踊るような運動を演じているところは...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...吾は小心翼々としてぬき足さし足一分刻みに歩みつゝ...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...歴史的時間の刻みによって浮び出て来る一つの時代である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...小刻みに取らないで...
豊島与志雄 「囚われ人」
...――二合とか三合とか小刻みに取り寄せるのは...
豊島与志雄 「囚われ人」
...水島君と私とは互に默り込んだまま小刻みに足を急がせて行つた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...親分」「少し揃いすぎているよ」」「?」「木戸の中の足跡は小刻みに付いていたと言ったな」「ヘエ――」「乱れてはいなかったのか」「ヘエ」「人を殺した若い女が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...胡麻鹽頭を小刻みに振つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――小刻みに歩み行く...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...じりじりと一寸刻みに詰め寄って来る...
山本周五郎 「いさましい話」
...躯が小刻みにふるえてる...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...その魂と肉体を一分刻みに……見る見るうちに亡ぼして行こうと試みている事がわかり切っていた...
夢野久作 「鉄鎚」
...お綱は小刻みに戻ってきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...と――巌流の足はじりじりと小刻みに寄って行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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