...しかもそれは刻々に...
芥川龍之介 「枯野抄」
...自分におっ被(かぶ)さっているいろんな邪魔ものを手で押しのけ、頭で突き上げて、地べたの上に自分を持ち出して来た草という草は、刻々に葉を伸し、茎を伸して、ひたすらに太陽の微笑と愛撫とに向って近づこうとする...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...「刻々の現在を示す秒針は...
辰野隆 「汝自身を知れ」
...同時にすべての弱点における歪みの刻々の現状を知るを要す...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...そうすれば地上で電波を受信してその波長を刻々に測って置けば...
中谷宇吉郎 「雪」
...時が刻々と過ぎ去るうち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...刻々に強まる酔ひに似たものを感じはじめてゐた...
牧野信一 「ゾイラス」
...時間は刻々に迫つて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...刻々に推移してしかも一般人の生活の歴史に重大な関係をもつ社会事相に敏速に応じ...
宮本百合子 「明日の言葉」
...どんなに生活の現実の刻々に切実かということが感じられて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...散れば刻々に色が変わるから...
柳田国男 「雪国の春」
...この河に呪われて刻々に減って行く江戸ッ子の運命を思わずにはいられないのである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...その仮死状態から時々刻々に眼醒つつある事を知りますと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...――時勢は刻々と移ってはいるが...
吉川英治 「親鸞」
...刻々と明るんでくる夜明けの光が...
吉川英治 「親鸞」
...近郷(きんごう)へ避難してゆく、病人や年よりや女子どもの、続いて行ったのは、もう三日も前の京都で、今は、そんな光景すらなく、刻々と、気味わるい静寂(しじま)のうちに、ここの死相は迫りかけていた...
吉川英治 「源頼朝」
...――深夜の感じは、刻々、明け方ぢかい空気に変ってくる...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...而かも刻々にその事實が確められて來た...
若山牧水 「樹木とその葉」
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