...猶刻々に此理想を懷抱する者の現實に作用して此を淨化する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...反対側の窓の中に刻々に移って行く真白な雪の山々を眺めていると...
板倉勝宣 「春の上河内へ」
...そういううちにも青菜(レタス)は刻々に減り...
谷譲次 「踊る地平線」
...自分ハ刻々ニ命ヲ削(けず)リツツアルノデアル...
谷崎潤一郎 「鍵」
...刻々の戦況を聞かされるだけであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...旧制度は刻々に崩壊し新秩序が刻々成立しつゝある...
種田山頭火 「松山日記」
...吉川夫人を刻々に待ち受けている間に...
夏目漱石 「明暗」
...――そして時は刻々に過ぎてゆく...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...刻々と時が刻まれてゆくことが怖ろしいのだ...
牧野信一 「爪」
...一息毎に刻々と気が滅入り込むのを...
牧野信一 「毒気」
...面白いことにはこの生産の手段というものは刻々に進歩いたします...
宮本百合子 「幸福の建設」
...満潮のさざめき寄せる波の音が刻々に高まりながら...
横光利一 「日輪」
...刻々に高くなつて來る太陽を恐れて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...なお刻々に来る情報を聞き...
吉川英治 「黒田如水」
...ただ刻々が不気味なほどの夜半であった...
吉川英治 「私本太平記」
...すでに明け方へかけては、刻々と、敵のうごきもここへ聞えている――一挙(きょ)、太宰府を落し、その勢いで、なおぞくぞく前進中と聞えていた菊池武敏を主力とする阿蘇(あそ)、秋月、黒木などの九州宮方の大軍は、今暁早や、博多箱崎の地点に近し――という情報がしきりだった...
吉川英治 「私本太平記」
...刻々、朝雲の紅(あか)さは漲(みなぎ)っていたが、まだ火もあがらない、煙も見えない...
吉川英治 「新書太閤記」
...八翌十九日の朝になると、薩軍の前進は、刻々と報告され、一挙、熊本を席捲(せっけん)して、北上しようとする颱風のような全軍の相貌と殺気は、もう鎮台兵の肌近くひしひしと迫って来た...
吉川英治 「日本名婦伝」
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