...その理想が自分の内面に作用する力を刻々に感ずるであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...刻々生々滅々しつゝあらむ...
石川啄木 「閑天地」
...捕えた気象水温その他の数値を刻々と博士に報告した...
海野十三 「地球発狂事件」
...刻々近づき来たるシャプラン機の位置を報道していた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その場になって刻々移る一般の人気によって激しく上下する馬金率を報(し)らせあっているのだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...死をすら刻々に迫らせて来てゐるやうなその涙を恐れた...
田山録弥 「浴室」
...思想も刻々に変革されて行き...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...仏頂寺の構えたしらの切り方の刻々に真に迫り行くのが怖ろしく...
中里介山 「大菩薩峠」
...蒼然(そうぜん)たる大地の色は刻々に蔓(はびこ)って来る...
夏目漱石 「虞美人草」
...刻々に苦しくなってゆく波に...
原民喜 「火の唇」
...つまりは、徒手空拳(くうけん)で動乱のなかに跳びこみ、五体をもって秩序を立てようと奔(はし)りまわった彼堀盛は、今日はじめて歴乎(れっき)として、彼の存在が、刻々と前進し、運転している政治のメカニズムの大切な螺旋(ねじ)であることを自覚した...
本庄陸男 「石狩川」
...喇叭(らっぱ)の音は刻々遠のき...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...現実の刻々を鋭く見とおして...
宮本百合子 「幸福のために」
...織田軍と三好党の戦いを――また刻々...
吉川英治 「新書太閤記」
...刻々に増(ふ)える軍勢を...
吉川英治 「新書太閤記」
...刻々に人数を加えて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...刻々と明るんでくる夜明けの光が...
吉川英治 「親鸞」
...毎日を無為に過しているまに、刻々、眼前の機会が、逃げてゆく気がしてならない...
吉川英治 「源頼朝」
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