...刻々と斜めに軋(きし)る痛苦(いたみ)に堪へがての人柱(ツシアス)のつきぬ恨みが遂に地の底に巣(す)くふに到つた...
上里春生 「傾ける殿堂」
...六時すぎて仙台着、抱壺君としんみり話す、予期したよりも元気がよいのがうれしい、どちらが果して病人か!歩々生死、刻々去来...
種田山頭火 「旅日記」
...雲が刻々に消散して頭の眞上にあたる蒼空が次第に天上の領域を擴げてゆくと共に...
近松秋江 「湖光島影」
...刻々にその墓穴は足下に深まりゆくにもかかわらず...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そうすれば地上で電波を受信してその波長を刻々に測って置けば...
中谷宇吉郎 「雪」
...のみか時々に刻々に深くなる...
夏目漱石 「虞美人草」
...現代の生活慾を時々刻々に充(み)たして行ける訳がないと代助は考えた...
夏目漱石 「それから」
...時が刻々と過ぎ去るうち...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...陰鬱な氣懶(けだる)い氣持は夜が更けるにつれて刻々に骨の膸(ずい)まで喰ひ込んだ...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...刻々と転進して行く生は...
宮本百合子 「偶感一語」
...自分の内と外とのあらゆる生活要素のあらゆる角度からの接触のあらゆる刻々の移り動きが...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...曹操の大軍は刻々南下して...
吉川英治 「三国志」
...――刻々と東上中の...
吉川英治 「私本太平記」
...手をつかねて刻々迫る敵の大軍の報告ばかり聞いていて何といたしましょう...
吉川英治 「新書太閤記」
...――それが刻々に案じられた...
吉川英治 「新書太閤記」
...いまなお刻々水嵩(みずかさ)を増している...
吉川英治 「新書太閤記」
...刻々両陣が迫り合った時は...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...……しかし、刻々と、矢つぎ早やに諸方からのこの通状だ...
吉川英治 「日本名婦伝」
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