...すると鍋小路の若殿恰(まる)で結納の品でも貰つたやうに有頂天になつて其紙莨入れを片時(へんじ)も離さず到る処に番町随一の美人から貰つたと吹聴して廻つたさうだ...
内田魯庵 「犬物語」
...今日のように到る処に輪転機を運転して...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...大学予科の解散という事は生徒に取っては一方ならぬ動揺で何百人という人が一時に各地に散る事になったので痛飲悲歌の会合が到る処に催おされた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...それでも到る処に指さゝれた...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...到る処の店先にはラジオの野球放送に群がる人だかりがある...
寺田寅彦 「異質触媒作用」
...到る処の青山に春風が吹いていた...
寺田寅彦 「チューインガム」
...故意にも偶然にも到る処に発生するという事は...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...到る処にそんなに塵が一杯にあっては...
中谷宇吉郎 「雪」
...本願寺を始めとして到る処(ところ)に建ッておる教会を見ても分る...
新渡戸稲造 「人格の養成」
...世界は開いたものとして到る処中心を有する円の如く表象されるように...
三木清 「哲学入門」
...その代りランを注文して純粋のイチボが半分交って来るような事もあるけれども我邦(わがくに)の商売人がもっと責任を重んじなければ実に困るよ」と今の世は到る処この歎(たん)あり...
村井弦斎 「食道楽」
...甘酒の香が到る処にたゞよひ...
柳田國男 「祭のさまざま」
...かように到る処に居るには居るが...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...到る処こうした男女のために利用されている事が推測される...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...不良生活の到る処に出て来る...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...地上の到る処……汽車...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...地上到る処にウヨウヨしているに拘わらず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私の無学さとが到る処に曝露している事と思いますが...
夢野久作 「能とは何か」
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