...食慾の外にも数へ挙げれば、愛国心とか、宗教的感激とか、人道的精神とか、利慾とか、名誉心とか、犯罪的本能とか、――まだ死よりも強いものは沢山あるのに相違ない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...いづれも多少の利慾を離れざる...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...世間を思切って利慾を捨てた椿岳は...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...当時の文人や画家は今の小説家や美術家よりも遥(はる)かに利慾を超越していた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...加之ならず自分達が利慾的盲動や何よりも好きな不善の快楽を攻撃されるのが読書子側だから何となしに読書家を煙たがる...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...一、情熱犯罪(恋愛、嫉妬、憎悪、復讐)二、利慾犯罪(貪慾、野心、利己的安定)三、狂的犯罪(殺人狂、変態性慾者)ウェルズはこの第三の項目は重視しなかったけれども、案外多くの作家が使用しているので、ぬかすことはできないのである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...彼の場合はむろん利慾を伴っているけれども...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...利慾を離れた五十年の研究生活に敬意を表するために...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...不正の利慾を貪るに汲々として寧日なき有様であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...成人(おとな)と成人が利慾の上から夫々唯物的な主張を持つて...
牧野信一 「村のストア派」
...「月を観る間も利慾の念を忘れてゐられぬ男は...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...世の人皆混濁して利慾に沈溺するに至りて...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...利慾は美を器から奪った...
柳宗悦 「工藝の道」
...利慾の刃が器を殺し美を殺し...
柳宗悦 「工藝の道」
...ですが機械はいつ人間の利慾から解放せられるのでありましょうか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...利慾にも旺盛なら...
吉川英治 「折々の記」
...利慾にも旺盛なら...
吉川英治 「俗即菩提」
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