...「利慾のために商人の通過し得る処何ぞ基督の愛に励まさるる宣教師の通過し得ざるの理あらんや」といいつつ亜弗利加(あふりか)大陸を横断せしに傚(なら)い...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...かかる場合において神はサタンに対しまたこの世に群棲する彼の子供らに対して「否(いな)! 世には利慾を離れての信仰あり...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...ヴァン・ダインの「僧正殺人事件」の犯人も憎悪や利慾では説明のつかない...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...彼の場合はむろん利慾を伴っているけれども...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その心が利慾を思ふからだ...
薄田泣菫 「茶話」
...或は人間の利慾心に乗じて...
高木敏雄 「比較神話学」
...無教育で薄情で利慾に飢(かつ)え...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...嫉視、反感、阿諛、利慾、その他さまざまなものが入交った告げ口、真偽とりまぜたものに尾鰭をつけ色合を変えた密告で、人の世の最も浅間しい姿だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...そうでなければ利慾心にからまれて...
中里介山 「大菩薩峠」
...愛憎(あいぞう)と利慾との複雑な経緯(けいい)があって...
中島敦 「弟子」
...取柄(とりえ)は利慾が交(まじ)らぬと云う点に存(そん)するかも知れぬが...
夏目漱石 「草枕」
...怨恨とそれから利慾だろう...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...不正の利慾を貪るに汲々として寧日なき有様であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「月を観る間も利慾の念を忘れてゐられぬ男は...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...世の人皆混濁して利慾に沈溺するに至りて...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...ですが機械はいつ人間の利慾から解放せられるのでありましょうか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...ひらにごかんべんをねがいまする」はて?残虐(ざんぎゃく)と利慾よりなにも知らぬ野盗(やとう)の頭(かしら)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...目前の小さい骨惜しみや利慾にとらわれていたら...
吉川英治 「新書太閤記」
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