...他人を利用して自己の利慾や虚栄心を満足するものは土民ではない...
石川三四郎 「農本主義と土民思想」
...世間を思切って利慾を捨てた椿岳は...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...切(せ)めて山本伯の九牛一毛(きゅうぎゅういちもう)なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し鉄面皮(てつめんぴ)であったなら、恐らく二葉亭は二葉亭四迷だけで一生を終らなかったであろう...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...この人間を造りし神自身をも利慾的存在者と貶(へん)したのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...利慾の犯罪(物慾...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...彼の場合はむろん利慾を伴っているけれども...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その心が利慾を思うからだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...利慾を離れた五十年の研究生活に敬意を表するために...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...嫉視、反感、阿諛、利慾、その他さまざまなものが入交った告げ口、真偽とりまぜたものに尾鰭をつけ色合を変えた密告で、人の世の最も浅間しい姿だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...怨恨とそれから利慾だろう...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...これは卑劣な利慾心だけではじめた仕事じゃない...
久生十蘭 「黒い手帳」
...不正の利慾を貪るに汲々として寧日なき有様であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...成人(おとな)と成人が利慾の上から夫々唯物的な主張を持つて...
牧野信一 「村のストア派」
...利慾は終りなき利慾に誘う...
柳宗悦 「工藝の道」
...利慾の刃が器を殺し美を殺し...
柳宗悦 「工藝の道」
...眼前の利慾に怒るのは小人の業(わざ)だ...
吉川英治 「三国志」
...目前の小さい骨惜しみや利慾にとらわれていたら...
吉川英治 「新書太閤記」
...いわゆる世間の名聞(みょうもん)利慾からは遠く離れて住み澄ましていたのであった...
吉川英治 「親鸞」
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