...それにまた「すぐ忘れてしまう」という先祖伝来の宝物が利き目をあらわし...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...魔睡劑の利き目がまだ殘つてゐるのが運び去られる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...二十年も三十年も経った古いものでなくては体に利き目がありません...
田中貢太郎 「人蔘の精」
...それにはもっと利き目があったろうと考えずにはいられなかった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...やはり病院よりは田舎の空気が安くて利き目がよかったのである...
寺田寅彦 「異質触媒作用」
...それでこそ例えば津浪を戒める碑を建てておいても相当な利き目があったのであるが...
寺田寅彦 「津浪と人間」
...之は所謂ユーモア文学ではあっても(併しユーモアはもっと的確で利き目のあるべきもので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そしてこの人物論こそは最も利き目のある毒舌振りなのだ...
戸坂潤 「読書法」
...何とかもう少し利き目のある評語を考え出すことが必要だろうと思う...
戸坂潤 「日本の民衆と「日本的なるもの」」
...なおさら利き目があった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その方が利き目があろうと注意した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...利き目は確実にあったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...さっぱり利き目がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...利き目のない薬を盛らうとすると思ひながら...
水野仙子 「脱殼」
...早寝の功徳もやっぱり利き目を現しているのだと信じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...アルコールの利き目とが一緒にあらわれたものであろう...
夢野久作 「暗黒公使」
...本当の利き目を現わして来たのであったかも知れないが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...面白はんぶんに教えられた阿片のこころよさを幾日ぶりかで満喫したあとの利き目が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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