...かう云ふ呪は二重に利き目がある...
芥川龍之介 「芸術その他」
...一般的の効果の中に利き目をあらわしている興味ある方法は...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...利き目さえあればなア……などとつい妻に向って浴せかけたくなる衝動を...
犬田卯 「米」
...「それにまだ一向利き目が見えないのは...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...ついぞ叱言をいったことのない父と母とが懇(ねんご)ろに説諭(せつゆ)したのでさすがの春琴も返す言葉がなく道理に服した体(てい)であったがそれも表面だけのことで実際は余り利き目がなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...仕事に疲れたものに一夕の軽妙なレビューを見せてこそ利き目はあるであろう...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...利き目のないのに懲(こ)りて...
徳田秋声 「風呂桶」
...この点利き目があるわけだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そしてこの人物論こそは最も利き目のある毒舌振りなのだ...
戸坂潤 「読書法」
...すこぶる利き目があるようにいわれているのである...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...利き目がありはしないかということです...
中里介山 「大菩薩峠」
...例というものは実感がないと利き目が薄いものだ...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...五医師に与えられた気付け薬の利き目で...
平林初之輔 「祭の夜」
...村瀬さんが――ちつとは利き目がありましたか?」「…………」村瀬はわけもわからず戸惑ふばかりであつた...
牧野信一 「女に臆病な男」
...もう薬もなんの利き目がないのかも知れないなどゝ思ふ...
水野仙子 「脱殼」
...エロの利き目は今も昔も...
山本笑月 「明治世相百話」
...良い薬の利き目とで呼吸(いき)を吹き返して...
夢野久作 「白髪小僧」
...アルコールの利き目とが一緒にあらわれたものであろう...
夢野久作 「暗黒公使」
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