...」松明(たいまつ)の火を前に立った、平六のまわりを囲んで、十五六人の盗人は、立つものは立ち、伏すものは伏して、いずれも皆、首をのばしながら、別人のように、やさしい微笑を含んで、この命が宿ったばかりの、赤い、醜い肉塊を見守った...
芥川龍之介 「偸盗」
...にわかに別人のように...
海野十三 「火星兵団」
...その声いろは別人のような鋭さがあったので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...見るとまるで別人のような...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...たったいま泣き声出しておゆるし下さいと詫(わ)びたひととは全く別人のような...
太宰治 「春の盗賊」
...どう云う訳か今日はまるで別人のように済まし込んで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ナオミもカフエエにいた頃とは別人のようになりはしたものの...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...どうしても別人のように見える...
寺田寅彦 「自画像」
...彼はコゼットに対してまったく別人のようになった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...別人のように快活になるのであった...
中島敦 「プウルの傍で」
...幸吉の態度は別人のように変りました...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...私はそれをふしぎにしかも別人のような心持でながめていた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...増さんが別人のように温和しくなった...
山本周五郎 「青べか物語」
...挙動が全く別人のようになる……すなわち心理遺伝の夢遊発作を初める……又はそうした発作を続けて来た人間が同じ暗黒状態の経過の後(のち)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...別人のようになって...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...晩年のこの挙はまったく別人のような観がある...
吉川英治 「三国志」
...別人のように燿(かが)やいて...
吉川英治 「親鸞」
...三「慌(あわ)てるでない」伊織へそういって、その優しさとは、別人のように、権之助は、「くそっ!」すさまじい敵意を吐いて、橋の左右へ、ぎらぎら眼をくばりながら、「さては、昨夜の山伏の詭計(きけい)だったか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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