...お松がある別荘番の倅(せがれ)と「お」の字町へ行ったとか聞いた時には別人のように怒(おこ)ったそうです...
芥川龍之介 「温泉だより」
...だが、さっきまで、自分でいらいらしているんだと叫んでいた大江山課長は、どうしたわけか、別人のように、たいへん熱心に、この話に耳をかたむけているのだった...
海野十三 「火星兵団」
...わしの好きな大石良雄はじめ赤穂四十七義士にも、時に利あらずして、雌伏(しふく)の時代があったではないか」サイゴン港虎船長の説得が、功を奏して、さしもの平靖号の若者たちも、別人のように、しずかになった...
海野十三 「火薬船」
...別人のように元気になってすっくと立ちあがり...
海野十三 「太平洋魔城」
...その動作は急に別人のように活気づいている...
林不忘 「安重根」
...顔の輪廓が別人のようになっているのは...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...顔はこのあいだじゅう見たのとどうしても別人のように思われた...
寺田寅彦 「柿の種」
...前とは別人のような感じがした...
寺田寅彦 「自画像」
...まだ子供の時分から――あなたが今とはまるで別人のようでいらして...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼はコゼットに対してまったく別人のようになった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...打って変って全く別人のように...
中里介山 「大菩薩峠」
...恐怖に震えた別人のようでした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...ゆっくりとな」夫の声や態度は別人のように威圧的で...
山川方夫 「あるドライブ」
...昔の新九郎とは別人のように...
吉川英治 「剣難女難」
...別人のような恐い疎石禅師のまえに伏して...
吉川英治 「私本太平記」
...炉の前の人とは何か別人のような気がされるのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...剣をとる時の彼とは別人のように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...別人のように見える...
吉川英治 「松のや露八」
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