...義雄はかの女が迷はしの術中に全く落ちた初めての犧牲である氣がして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...生まれて初めての事で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...此方(こちら)は初めての土地にて何やら一向それらしい気分も味(あじわ)わず松の内もあわただしく過してしまいました...
谷崎潤一郎 「細雪」
...初めての時より一段と醜惡で厭らしいものになるだろう...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...初めての夏の暑気に多少弱っているらしいが...
豊島与志雄 「猫性」
...初めての人は、この松明(たいまつ)がいちばんいいのでございますよ、松脂でもいいのでございますよ、猿は人間よりか火の方を怖がりますから、こうして火を持って歩くと、傍へ寄れねえのでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...生まれて初めてのことであったろう...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...森さんがその年になってからの初めてのお手紙を下さった...
堀辰雄 「菜穂子」
...今年は父ひとりになって初めての正月迎え云々ということはこの前の手紙で申しあげましたとおり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小説として今度が初めての試みであって...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...あとの二人は初めての客だった...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...うめにとっては初めての大きなよろこびであった...
山本周五郎 「初蕾」
...よし町芸妓米八の千歳米坡と共に初めての男女合同劇...
山本笑月 「明治世相百話」
...初めての燕の群に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...義盟の血をすすり合ってから初めてのような叱られ方をした...
吉川英治 「三国志」
...初めてのことだろう...
吉川英治 「平の将門」
...初めての奉公先としては...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...初めての会合に出席した...
和辻哲郎 「非名誉教授の弁」
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