...本郷切通しに山加屋という東京でも一流の呉服屋店があった...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...切通し全体は、その鐘乳石が明るみにさらけだされた洞窟といった感じをわたしにあたえた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...近頃の新しい畫學生の間に重寶がられるセザンヌ式の切通し道の赤土の崖もあれば...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...切通しの方へおりて行った...
徳田秋声 「仮装人物」
...それから戻つて切通しの坂へかゝつた...
長塚節 「開業醫」
...十二時近くまで切通しの鳥屋で酒を飲んでゐたり...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...切通し坂の上に来たとき...
新美南吉 「狐」
...石灰岩を掘り割つた狹い切通しが爪先上りに長くつづき...
野上豐一郎 「ウォリクの城」
...何だ、切通しの猿飴か...
林不忘 「あの顔」
...暗い湯島の切通しから...
正岡容 「圓朝花火」
...もちろん切通しの家もとうに畳んで...
正岡容 「小説 圓朝」
...切通しから湯島台へと上ってゆき...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...さればこそ、闇太郎、雪之丞のために、軽業お初を、しばしの間この世から隔離(かくり)する必要が生じたので、この坊主を思い出し、湯島切通しから、かごごと盗んで、深夜かつぎこませたわけであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...切通しを見おろす丘の上に此方を向いて腰をおろし...
三好十郎 「地熱」
...その家は湯島切通しから...
森鴎外 「雁」
...切通しの家は店造(みせづくり)で...
森鴎外 「渋江抽斎」
...実は、わっしは疾(と)くから、あの四ツ目屋を張込んでいたので、おとといの晩、切通しでの事、また、お屋敷から洞白の面箱が消えうせた事も、のこらず釘勘の閻魔帳(えんまちょう)にのっておりますんで……」「あっ、あの騒動を存じておるのか」「そこで今日、洞白が売りに出るかも分りませんから、旦那に知らせて上げるんです」「売りに出ると申すのは、あの面箱がか?」「そうで」「人手に渡っては一大事、あの洞白の鬼女面は、文昭院様から大殿が拝領した品、毎年柳営(りゅうえい)のお能(のう)には、ぜひ持って参らなければ将軍家へ申しわけの立たないことになる」「ですが……」と釘勘は薄く笑って、「面も大事な品でしょうが、それよりもなお欲しいのは、面の下になっている反古(ほご)の方じゃございませんか」「そこまで存じているなら何も隠さぬ...
吉川英治 「江戸三国志」
...切通しの晩の返礼は...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??