...天保銭を車に積んで切通しを飛んだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...それから切通しの坂の上で別れた...
高濱虚子 「俳諧師」
...或る切通し線へ入ったと思うと...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...切通しの方へおりて行った...
徳田秋声 「仮装人物」
...この切通しを回ったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...切通しをのぼると...
新美南吉 「狐」
...切通し坂の上に来たとき...
新美南吉 「狐」
...モンブランの二倍ほどの高さのユングリング・リラの切通しのかなた...
久生十蘭 「新西遊記」
...三田の切通し寄り...
久生十蘭 「ひどい煙」
...切通しから湯島台へと上ってゆき...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...切通しを見おろす丘の上に此方を向いて腰をおろし...
三好十郎 「地熱」
...即ち南から切通しを経る道と...
森鴎外 「雁」
...人の智慧は切通しとなり隧道(すいどう)となり...
柳田国男 「峠に関する二、三の考察」
...切通しかもしれない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...後年湯島切通し下に転じ...
山本笑月 「明治世相百話」
...実は、わっしは疾(と)くから、あの四ツ目屋を張込んでいたので、おとといの晩、切通しでの事、また、お屋敷から洞白の面箱が消えうせた事も、のこらず釘勘の閻魔帳(えんまちょう)にのっておりますんで……」「あっ、あの騒動を存じておるのか」「そこで今日、洞白が売りに出るかも分りませんから、旦那に知らせて上げるんです」「売りに出ると申すのは、あの面箱がか?」「そうで」「人手に渡っては一大事、あの洞白の鬼女面は、文昭院様から大殿が拝領した品、毎年柳営(りゅうえい)のお能(のう)には、ぜひ持って参らなければ将軍家へ申しわけの立たないことになる」「ですが……」と釘勘は薄く笑って、「面も大事な品でしょうが、それよりもなお欲しいのは、面の下になっている反古(ほご)の方じゃございませんか」「そこまで存じているなら何も隠さぬ...
吉川英治 「江戸三国志」
...――必死となれば切通しの晩の如く...
吉川英治 「江戸三国志」
...切通しの森を透(す)いて...
吉川英治 「大岡越前」
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