...ジーナは切れ長な眼を潤(うる)ませながら...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...スッキリとした姿!屹(き)っと見据えていた切れ長な眸許(めもと)……口惜(くや)しそうに涙ぐみながら...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...少しつった切れ長の目にものをいわせると...
壺井栄 「二十四の瞳」
...細い額に髪がふさ/\垂れさがつて、頬が脹(ふく)らんでゐるので、ちよつと四角張つたやうな輪廓だが、鼻梁(びりやう)が削(そ)げて、唇が厚手に出来てゐる外は、別に大して手落ちはなかつたし、ぱつちりはしないが、目も切れ長で、感じは悪くなかつた...
徳田秋声 「チビの魂」
...切れ長の眼尻には一寸剣があるが...
永井荷風 「申訳」
...おっとりと笑いをふくんだ切れ長の眼が...
林不忘 「あの顔」
...切れ長の眼は、少しばかり藪睨みで、額が狭く、眉が濃かつた...
林芙美子 「瀑布」
...切れ長の眼をかがやかして...
火野葦平 「花と龍」
...なんの呪禁(まじない)?」「魔よけじゃ」「魔がいるの?」「居るよ」「どんな魔?」「気色(きしょく)の悪い魔じゃ」「変なひとねえ」笑っていたお京の切れ長の眼が...
火野葦平 「花と龍」
...「立派だこと」お八重は切れ長の目を潤ませていた...
正岡容 「圓太郎馬車」
...――一対の細い切れ長の眼であった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...切れ長の碧い眼を見つめる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...黒く大きく切れ長な目...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...切れ長な目の目じりのあたりの艶(えん)な所などはよく柏木(かしわぎ)に似ていると思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...切れ長で眦(まなじり)のあがった特徴のある眼で...
山川方夫 「その一年」
...」六十に近い年にしてはまだ頬の皺もあまり見えず、切れ長の眼に、髪も濃い母の顔を矢代は眺め、母に較べて老いこんだ父の白髪を眼に泛べた...
横光利一 「旅愁」
...趙雲」玄徳はその切れ長い眦(まなじり)から彼を一眄(べん)して...
吉川英治 「三国志」
...しかし毛虫眉をかぶッた切れ長な眼は細く針のような底光りをかくしていて...
吉川英治 「私本太平記」
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