...飛切れないで鋼線(はりがね)に留った処を...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...とうとう辛抱(がまん)が仕切れないで怫然(ふつぜん)袂(たもと)を払って退学してしまった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...それだけ従来の国文型が抜け切れない処があった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...かぞへ切れないほどのしわが...
鈴木三重吉 「湖水の鐘」
...何処まで行っても下町情調が抜け切れない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...この有益にして多趣味のお話を我々両人の記憶にはとても残らずは記憶し切れないと思ったので...
田村松魚 「幕末維新懐古談」
...包み切れない魅力が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お品にはまだ割切れないものが殘つてゐる樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...拭い切れない罪を犯したような気がして...
林不忘 「あの顔」
...あきらめ切れないのは毎日のめしだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...相互に普通の男女間以上の切っても切れない気持ちへまで進展したことは...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...そして虔十はまるでこらえ切れないようににこにこ笑って兄さんに教えられたように今度は北の方の堺(さかい)から杉苗の穴を掘りはじめました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...お関は押え切れない望みに動かされてY県に居る実の母と子に会いに行った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...遣(や)ってみ給え」客「色々ドウも忙がしくって食べ切れない」と頭を挙ぐる暇(いとま)もなきにお登和嬢が台所へ往(ゆ)きてチョコレートと蜜柑(みかん)のジャムを持ち来たる「小山さん...
村井弦斎 「食道楽」
...収 そうとばかりは言い切れないな...
森本薫 「みごとな女」
...どうも廻りくどくて待ち切れない...
矢田津世子 「凍雲」
...この地方と漆器とは切っても切れない関係にある...
柳宗悦 「陸中雑記」
...にわかに抱(いだ)き切れないような大きなものを...
吉川英治 「親鸞」
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