...切ない程はつきり浮んで来た...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...大切ないとしい鳥さん...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「おやゆび姫」
...恨めしいような切ないような眼つきをして...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...切ないほどに緊(し)めつけられるんだろう?……もしいつか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...愛を含んだ切ない眼――または厳(いか)めしい眼...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...種彦は床(とこ)の間(ま)に先祖の鎧(よろい)を飾った遠山が書院に対座して話をしている間(うち)から何時(いつ)となく苦しいような切ないような気恥しいような何ともいえない心持になったのである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...或る種の切ないノスタルジアを感じさせる...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿を千も万も叫びたい程、切ない私だ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...自分がそんな切ない氣もちになるのをかへつて氣味のいいやうな風に...
堀辰雄 「おもかげ」
...何か切ないもので一ぱいになって...
堀辰雄 「菜穂子」
...その葬られた山の奥などをしょんぼりとさすらっているような切ない感じで...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...国王がここに居たことは一切ない」「ですから自分の目が信じられなかったのです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...仕立て上げて手も通さずにある赤い着物を見るにつけ桃色の小夜着を見るにつけて歎く姉の心をせめて万が一なりと知って呉れたら切ない思い出にふける時のまぼろしになり夢になり只一言でも私のこの沈み勝な心を軽く優しくあの手((ママ))さな手で撫でても呉れる事だろう...
宮本百合子 「悲しめる心」
...私は失業中で切ない暮しですが...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...切ない感じに襲われた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...むやみに切ないようなもどかしいような気持で...
山本周五郎 「寒橋」
...ひどく息が切ないらしい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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