...せめてこの木戸でもあったらと切ない思いが胸にこみあげる...
伊藤左千夫 「奈々子」
...私の切ない心持を察して下さい」男は威圧的な態度を一変して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...行程に危険は一切ないが...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「西洋科学は素晴らしい」
...胸が切ない(肺炎の時は痛かつた)...
種田山頭火 「其中日記」
...何となく切ないものがこみあげてくるので...
種田山頭火 「其中日記」
...そのころ切ない恋のもっとも美しい歌を幾つかこしらえ出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...おじいさんの親切ないたわりと...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...彼のお嬢さんに対する切ない恋を打ち明けられた時の私を想像してみて下さい...
夏目漱石 「こころ」
...「やあ……」私は子供のように天真に哄笑(こうしょう)して、切ない眼を、始終机の足の方に向けていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...自身を越えた推断を導く理由を我々に与え得るものは一切ない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...だから美しいゆゑに切ないものは...
北條民雄 「孤独のことなど」
...そしてその自分でもはっきりとは分からないもののために自分の心が切ないほど揺(ゆ)らいでいるのを...
堀辰雄 「ほととぎす」
...いまにも此の世から消えてゆこうとしている古代の痕をこうやって必死になってその儘に残そうとしている人たちの仕事に切ないほどの感動をおぼえた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...いつしかまだすこしも知らない大和の国に切ないほど心を誘われるようになって来ました...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...「ああお坊ちゃま危(あぶの)おございます」では見ていても切ないもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その中に切ない腹の立つ二つ三つの字があって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あとで振り返つてみて、しまつた、あの時自分はあんなに貴重なものを与へられてゐながら、知らずに過ぎてしまつたと、あとになつてどうにもあきらめきれない悔い、なさけない、辛い、同時に味はひ深い、切ない悔い、さう云ふものがあります...
三好十郎 「「地熱」について」
...そうして思いもかけない切ない愛の言葉を...
夢野久作 「少女地獄」
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