...さりとて新らしい本を切々買ひ込むなどゝ云ふ余裕のある読書家にあらず...
石川啄木 「閑天地」
...何でも水の夢ばかり切々(きれぎれ)に見ましてね...
泉鏡花 「浮舟」
...早口に嗄れた切々の口調で囁く)もう二度とあの人には會へない...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...その辞切々人の心を動かさずば止(や)まない...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...藤田師の言は、切々として、わたくしの胸をうった...
海野十三 「第四次元の男」
...その声には慨歎の切々たる心情がひびきでていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それは満州人種の「三千万民衆」の切々たる懇望に基いたからこそであった...
戸坂潤 「社会時評」
...それは満州人種の「三千万民衆」の切々たる懇望に基いたからこそであった...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...切々として人の官覚を動す力があった...
永井荷風 「里の今昔」
...切々たるミツシヱルの声は...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...倒(さか)さになって切々(せっせっ)と雑巾掛(ぞうきんが)けをしていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...さかんに切々たる手紙を書いている...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...雨の日も風の日も」と犇々(ひしひし)と子供を抱きしめて我児への切々たる愛を歌い...
三浦環 「お蝶夫人」
...今すぐにその句切々々を優しく填めて遣れ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...切々ともれる青年の慟哭(どうこく)のこえが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...伊兵衛はいつかその音調に強く惹きつけられている自分を感じた……大絃はそうそうとして急雨のごとく小絃は切々として私語のごとし...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...切々とぼくに訴へたが...
吉川英治 「折々の記」
...すぐ崖下から聞えてくる尺八の呂律は切々として新九郎の胸に迫るのだった...
吉川英治 「剣難女難」
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