...その辞切々人の心を動かさずば止(や)まない...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...その声には慨歎の切々たる心情がひびきでていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...語調には切々たるものが在った...
太宰治 「花火」
...改悔を促したいと切々冀(こいねが)う...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...終日好い声で歌をうたう茶師のさまなどが切々に思い出されて来る...
田山花袋 「新茶のかおり」
...切々たる哀情が豊かに籠(こも)っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...切々(せつせつ)と責められているのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...切々たる手紙を書いては...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...切々と心情から慟哭的(どうこくてき)に歌われている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...老を悲しむ情が切々と迫っている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...どうも温泉に浸りながらでは「マリエンバアドのエレジイ」のやうな切々とした詩は書けさうもないと思へるからである...
堀辰雄 「「浴泉記」など」
...切々たる口笛と化するであらう――彼は温泉のやうな流水の上をうつら/\と眠りながら流れる夢に恍惚として息も絶えさうだつた...
牧野信一 「まぼろし」
...それは切々たる告白の文字だった...
山本周五郎 「新潮記」
...……そうそうと切々と錯雑して弾ずれば...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...この切々の情を見聞して流石(さすが)に惻※(そくいん)の情に動かされたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...切々と書かれてある...
吉川英治 「私本太平記」
...東洋的な身の処置と生き方は切々と古典の筆者もその行動に希求してやまない風がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...その二音の繰返しが十度び位ゐも切々(せつ/\)として繰返さるゝと...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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