...さりとて新らしい本を切々買ひ込むなどゝ云ふ余裕のある読書家にあらず...
石川啄木 「閑天地」
...いつまで汝われに眼を離さず我が津(つ)を咽(の)む間も我を捨て置き給わざるや」とは彼の神に対する切々たる哀訴である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...藤田師の言は、切々として、わたくしの胸をうった...
海野十三 「第四次元の男」
...それらの生物に対する氏の同情が切々と溢(あふ)れ出ていて...
谷譲次 「踊る地平線」
...この切々たる存在への哀感なくして芸術そのものが成立しそうもない...
中井正一 「映画と季感」
...切々として人の官覚を動す力があった...
永井荷風 「里の今昔」
...切々たる手紙を書いては...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...私一人は駈脱(かけぬ)けるようにして側視(わきみ)もせずに切々(せっせ)と帰って来る...
二葉亭四迷 「平凡」
...倒(さか)さになって切々(せっせっ)と雑巾掛(ぞうきんが)けをしていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...切々(きれ/″\)と響いた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...鹿の鳴く声きけば吾妹子の夢忍ばるゝ――云々といふ唄のメロデイを切々と伝ふてゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...今すぐにその句切々々を優しく填めて遣れ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...……そうそうと切々と錯雑して弾ずれば...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...劉備の切々な情言を...
吉川英治 「三国志」
...宮は切々(せつせつ)と警固の士へ訴えて...
吉川英治 「私本太平記」
...そもじらと夕餉(ゆうげ)を興じたく切々に思う日もあるぞかし...
吉川英治 「新書太閤記」
...小絃は切々として私語(しご)のごとしという形容(ことば)のままだった...
吉川英治 「親鸞」
...お護(まも)り申しあげているでしょう……)切々たる末期(まつご)の文字をつらね...
吉川英治 「平の将門」
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