...――何を!……按摩の分際で...
泉鏡花 「歌行燈」
...穢多の分際で、あんまり大巾にこんな処を押しまはすと承知しないぞ...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...)二十歳の少年の分際で...
太宰治 「虚構の春」
...残念ながら英国人に蛆虫(うじむし)同然の私たち印度人の分際ではどうすることもできなかったのです」とシャアは黒鉄(くろがね)のような腕を撫(ぶ)しながら無念そうに身を震わせた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...下郎の分際で武士たるものの魂を足蹴(あしげ)にした不埒(ふらち)な奴...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを貴様らの分際で...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本人の分際で非難するのは怪しからんといふのは...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...殿様は「おのれは医者の分際で...
久生十蘭 「玉取物語」
...犬の分際で人間を喰ふといふのは罪の深い事だと気が付いた...
正岡子規 「犬」
...居候して居る分際で頭ばかり光らせても何になる...
眞山青果 「茗荷畠」
...謙三郎、弟の分際で、兄上に対し、何たることか」この一喝(いっかつ)で、兄弟は立別れ、やがて半刻(とき)もお談義(だんぎ)を喰う...
吉川英治 「剣の四君子」
...卒の分際で」と、いう言葉も終らぬ間に、そう罵(ののし)っていた李朱氾の体は、二丈もうえの空へ飛んで行った...
吉川英治 「三国志」
...山賊の分際で白昼通るは何奴かと...
吉川英治 「三国志」
...下将(げしょう)の分際で...
吉川英治 「三国志」
...下将の分際で僭越なりと...
吉川英治 「三国志」
...まだ部屋住(へやずみ)同様な――しかも明智入道の懸人(かかりゅうど)の分際ではないか」「分を顧みる遑(いとま)はありません...
吉川英治 「新書太閤記」
...申しつたえておけ」「…………」「まだ人なみの骨(こつ)がらも持たぬ乳臭児(にゅうしゅうじ)の分際で...
吉川英治 「親鸞」
...この兵庫の肩を躍り越えたな」「? ……」「土民の分際で...
吉川英治 「宮本武蔵」
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