...残念ながら英国人に蛆虫(うじむし)同然の私たち印度人の分際ではどうすることもできなかったのです」とシャアは黒鉄(くろがね)のような腕を撫(ぶ)しながら無念そうに身を震わせた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...「書生の分際で、お前は、周家の娘を何と心得ているのだ...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...「糞坊主、坊主の分際で、隼人に剣を説き――小太郎め、説かれて、恐れ入って、何んたるざまだ」月丸は、憑(つ)かれた人のように、独り言を云いつつ、くるりと、堂の方を、振向いた...
直木三十五 「南国太平記」
...百姓の分際で……」「まことに相済みません...
中里介山 「大菩薩峠」
...…………青二才(あおにさい)の分際で師の批評などおこがましいと腹が立ち...
中島敦 「弟子」
...」ミンチン先生はベッキイにこういわれて、なぜかよけいに腹を立てました、小使娘の分際で、セエラの肩を持つなんて怪(け)しからん...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...殿様は「おのれは医者の分際で...
久生十蘭 「玉取物語」
...無事に私の財産を奪えると思ってんの、弁護士の分際で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...居候して居る分際で頭ばかり光らせても何になる...
眞山青果 「茗荷畠」
...(キケロ)(a)だが我々の分際では...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...きっと幾何(いくら)か包まっしゃるけに……非人の分際で...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...「意気地もない分際で...
吉川英治 「剣難女難」
...新米(しんまい)の卒の分際で」喚(おめ)いた一人が...
吉川英治 「三国志」
...山賊の分際で白昼通るは何奴かと...
吉川英治 「三国志」
...下将(げしょう)の分際で...
吉川英治 「三国志」
...下将の分際で僭越なりと...
吉川英治 「三国志」
...まだ部屋住(へやずみ)同様な――しかも明智入道の懸人(かかりゅうど)の分際ではないか」「分を顧みる遑(いとま)はありません...
吉川英治 「新書太閤記」
...これからという分際で』『女子の方からうるさく付き纒(まと)うのです』『だまれ...
吉川英治 「山浦清麿」
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