...足(あし)には分厚(ぶあつ)の草履(ぞうり)を突(つ)かっけ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...分厚いどんちょうの端からたれ下がっているひもを...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...分厚な請願書を当路の大臣宛に提出させた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...きたない焼酎屋で俺は分厚いコップを傾けていた...
高見順 「いやな感じ」
...分厚な札束と一緒に派司(パス)めいたものを俺に差し出して...
高見順 「いやな感じ」
...眼瞼の遊離縁も分厚く...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...右手(めて)の指に分厚(ぶあつ)な金の指環(ゆびわ)をさし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...半紙横綴(よことぢ)の分厚な帳面ですが」「それがどうした」「お終ひの三...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...原色版の分厚な絵入りのカタログを抱えて来て...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...アザラシ皮のようにてらてらして分厚くて光沢がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...分厚な角封筒を渡した...
松本泰 「日蔭の街」
...分厚なもの、頑丈なもの、健全なもの、それが日常の生活に即する器である...
柳宗悦 「雑器の美」
...分厚い手紙が、指先を放れて、窓障子の間からぱさりと音をたてて落ちました...
山下利三郎 「流転」
...小さな分厚い唇はどちらかといえば考えの浅い...
夢野久作 「暗黒公使」
...柱の間を分厚いフリント硝子(ガラス)で張り詰めた奥には...
夢野久作 「暗黒公使」
...……十一時を打ち終りますと同時に、眼の前の闇黒の中で、何かしら分厚い、大きな木の箱を閉したような音がバッタリと致しますと、間もなくパアッと大光明がさして、眼も眩(くら)むほどギラギラと輝やくものが、そこいら中一面にユラメキ現われました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...まだ分厚いものだったが...
吉川英治 「三国志」
...表に「二階堂」裏に「荷駄組」と烙印(やきいん)した手脂でひかッている分厚い鑑札(かんさつ)を兵に見せて通って来たのだ...
吉川英治 「私本太平記」
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