...分厚いどんちょうの端からたれ下がっているひもを...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...議論をすると随分厚かましい事を言ひ出し兼ねないが...
薄田泣菫 「茶話」
...お好み焼屋のおやじで満足しているわけじゃないし……」朝野は分厚いコップを口に当てた...
高見順 「如何なる星の下に」
...きたない焼酎屋で俺は分厚いコップを傾けていた...
高見順 「いやな感じ」
...此の顔は分厚な将棋の駒を想はせた...
中原中也 「校長」
...分厚な木の箱を取り出して...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...けれどもまた恐ろしく分厚(ぶあつ)に書き上げた著作で...
夏目漱石 「思い出す事など」
...半紙横綴(よことぢ)の分厚な帳面ですが」「それがどうした」「お終ひの三...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...分厚な書類の綴込をかかえた丸腰の巡査のあとから...
久生十蘭 「金狼」
...分厚いバラ垣根が領地を隔て...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...大きな、分厚な、むつかしい本であるからといって避くべきではなく、その方面で最も善い本を読むように努めなければならぬ...
三木清 「如何に読書すべきか」
...分厚な仕事着地として作られます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...分厚い朝鮮松の板をジワリジワリと折り砕きながらピッタリと停止した……と思うとそのあとから...
夢野久作 「斜坑」
...……それがその……折紙と申しますのはこのお書付(かきつけ)なんで……ヘエ」貫七爺は懐中から新聞紙に包んだ分厚い罫紙の帳面を取出した...
夢野久作 「白くれない」
...小さな分厚い唇はどちらかといえば考えの浅い...
夢野久作 「暗黒公使」
...左手に分厚い札束を抓(つま)んで軽く上下に振り動かしている...
夢野久作 「冥土行進曲」
...表に「二階堂」裏に「荷駄組」と烙印(やきいん)した手脂でひかッている分厚い鑑札(かんさつ)を兵に見せて通って来たのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...いわゆる胴田貫(どうたぬき)という分厚い刃金(はがね)である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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