...北京の苦力(クウリイ)は炎暑の候だけ皆他省へ出稼ぎに行き...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...それを同じくこの地に出稼ぎ中の同郷の人...
海野十三 「蠅男」
...出稼ぎの女工たちのための寄宿舎があって...
高見順 「いやな感じ」
......
谷譲次 「踊る地平線」
...下の甲板から此の時印度(インド)の殖民地へ出稼ぎに行(ゆ)くイギリスの鉄道工夫が二三人と...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...お前さんはそうして、仕返しだか、出稼ぎだか、何だか知らないが、気忙(きぜわ)しく出かけてしまって、置いてけぼりのわたしはいったい、どうなるんだよ、路用はいただいたが、これから、どこへ出向いて、どこで待っていてあげりゃいいのさ、ちっとは相談もあるじゃないか」「違えねえ――お前はこれから、明日の朝になって、ここの勘定を済ましてから、なにげなく上方(かみがた)へ向って旅立ちな――さよう、草津か、大津か――そんなところでは人目にかかる、こうと、いいことがある、少々道を曲げて石部(いしべ)の宿(しゅく)なんざあどうだね、石部の宿の仮枕なんざあ悪くあるめえ」「乙だね」「石部には大黒屋という宿がある、あれへ行っておとなしく泊っていな、明日の晩までにはおいらが大物を一つ料(りょう)って、石部の宿のお前のところまで駈けつけよう」「じゃ、そうしておくれ」「合点だ」「寒い!」お蘭どのが、わざとらしく肩をすぼめて、暁の風が身に沁(し)みるという風情をして見せると、「寒かあ寝なな」一番鶏か、二番鶏の音が、関のこなたで声高く聞える...
中里介山 「大菩薩峠」
...漁師のせがれを一季二万円で十勝(とかち)の農家に出稼ぎさせるような昨今の状況だという...
服部之総 「望郷」
...私の父は濠洲へダイバー(潜水夫)の出稼ぎに行き...
久生十蘭 「手紙」
...あんまり遊んだので首尾がわるくて上海の支店へ出稼ぎにやられた...
平出修 「二黒の巳」
...出稼ぎして諸方を彷徨(うろつ)いてゐた方が...
ボレスラーフ、プルース 二葉亭四迷訳 「椋のミハイロ」
...遠く出稼ぎに出て居た私が駈け附けた時には...
松永延造 「職工と微笑」
...男は鉱山の出稼ぎが本業で...
柳田国男 「雪国の春」
...「出稼ぎかあ、まあ、うんと儲けな」かつて自分が女たちに、こんなに親しげに話したことはなかったと信二は思いついた...
山川方夫 「その一年」
...彼も一度は樺太へ出稼ぎに行って...
横光利一 「夜の靴」
...妻子を残して樺太へ出稼ぎに十年...
横光利一 「夜の靴」
...布哇(ハワイ)や北米やその他へ出稼ぎしている彼地方の男女は...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...この藪原の駅からは多く大工が出稼ぎに出る...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...土地には何もする用がないので皆出稼ぎに行つてゐるのださうだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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