...出来星(できぼし)の紳士と同じやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...それは出来星の紳士らしい...
徳田秋声 「黴」
...山の通人は、出来星の博士が、小学校生徒に教えるような態度で、見おろしかげんに、「お雪さん、あなたはこの間の手紙に、ツガザクラの下を歩いたように書いて出したそうですが、あんなことを書くと、笑われますよ」「わたし、そんなことを書きましたか知ら?」「は、は、あなたは、ツガザクラという植物を知らないのでしょう」「ええ」「あれは高さ四五寸の、灌木(かんぼく)というものだ、四五寸の植物の下を人間が通れますか、生物知(なまものじり)を書くと笑われますよ」と言って山の通人が、ある晩のこと、炉辺に人が集まった時を見越して、わざとお雪ちゃんに向って、こんなことをいいましたから、お雪は真赤になって、「そうでしたか知ら?」自分は、そんなことを書いた覚えはないのに、この通人は、わざと人前で、聞えよがしに言うのは、ツマリ自分の知識のほどを、人に見せつけたいという根性が、ありありと見え透きましたから、一座の人も、何となく不愉快に感じましたが、お雪は強(し)いてそれを争おうともしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...相変らず出来星(できぼし)の博士が...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは尋常出来星の追剥の類(たぐい)ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...新米(しんまい)の胆吹出来星王国なんぞは見のがせ見のがせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「東京ポスト」のような出来星の新聞では...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その妹のお辰というのに夢中になっているが」「丸山町の直助――聞いた事のない名だな」「出来星(できぼし)の金持ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出来星の小さい質屋に内風呂は大げさだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言わば出来星の小商人を狙うのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんな出来星宗教の一つで...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...吹小歇(ふきおやみ)のない仕合(しあわせ)の風にグットのした出来星(できぼし)判任...
二葉亭四迷 「浮雲」
...出来星の二つ目とは違うってこと...
正岡容 「小説 圓朝」
...到底きのうきょう出来星の落語家の付けられる名前じゃなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...出来星のルパシカ青年は忽ちにして影を秘(ひそ)めてしまつた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...だから出来星の新真打がお客にかへられたら大変だと許り大熱演で聴かせると...
正岡容 「寄席風流」
...まず出来星の官員ならんか...
三宅花圃 「藪の鶯」
...曹操のごとき時流に投じた風雲児の出来星(できぼし)とはわけがちがう...
吉川英治 「三国志」
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