...こうして気を静めて自分の思想の出どころを考えてみると...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...雜誌は今月出ないのか?」「とても出せん――金の出どこがない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...が少し音の出どころが違うようである...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...私が与えなければどこからもお金の出どころがないのを知っていますから仕方なく...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...正式の夫であるならあるいはせめて情夫としての待遇(たいぐう)を受けているなら文句の出どころはなかったけれども表面はどこまでも手曳きであり奉公人であり按摩から三介(さんすけ)の役まで勤めて春琴の身の周りの事は一切取りしきり忠実一方の人間らしく振舞(ふるま)っているのを見ては...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...「おいらも、本当のところは、この土地の人間じゃあねえんだから、よく地の理を知らねえんだ、だが、この土地は、江州の長浜といって湊(みなと)になってるんだから、船つきも、船の出どころも、いくらもあるよ、どこがりんこの渡してえんだか、おいらは知らねえが、竹生島というのは眼と鼻の先なんだ、頼んでみたらいくらも船は出るだろう」「そうおっしゃるあなたは、もしや米友さんではございませんか」「え、え、おいらを米友と知ってるお前は誰だい」「わたしは弁信でございます」「弁信?」「はい、米友さん、あなたのお名前は、お銀様からも、お雪ちゃんからも、絶えず聞いておりました、わたくしは、やはりあの胆吹山の京北御殿に厄介になっている弁信でございますよ」「ははあ、そうか、お前があの弁信さんか」と、米友も合点(がてん)がゆきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...開場式の饗宴などに是非なくてならない一万円の費用の出どころであった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...その噂の出どころは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...風説の出どこもまるで荒唐無稽(こうとうむけい)ではないんです」「先生が……では先生がそんなことを……」彼女の表情にはまぎれもない憤怒(ふんぬ)の色が漲(みなぎ)った...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...出どこは知らん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...わたしは次の話の出どころを知らないが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もし人がそこにわたしが積み重ねた詩句や実話の出どころを知りたがるならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...笠無くば加賀野にござれ加賀野は笠の出どころ蓑(みの)なくばみなとにござれみなとは蓑の出どころこれはもちろん頭韻の面白味から...
柳田國男 「地名の研究」
...これは間違いのない筋からの話なんでしてな」情報の出どころの慥かな...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...「あの道場をひらいた金の出どこも...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その声の出どころは...
吉川英治 「私本太平記」
...惟任(これとう)どののうわさなども、出どころは、ひょっとしたら先頃帰国したという甲府筋の者ではないかな...
吉川英治 「新書太閤記」
...その出どころは「本朝画纂」の記事である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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