...夢徳寺(むとくじ)から弥勒菩薩(みろくぼさつ)の金像を背負って出で来た貫一の行手に...
海野十三 「奇賊悲願」
...わづか一兵卒(といつては失礼だけれど)を迎へるのに一村総出で来てゐる(佐賀市で出征兵士見送の時もさうだつた)...
種田山頭火 「行乞記」
...蝉なくや小松まばらに山禿(はげ)たりなど例の癖そろ/\出で来る...
寺田寅彦 「東上記」
...第二回 一国の生活(総論)人間はただ生活せんがためにのみこの世に出で来たりたるものにはあらざるべし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...そもそもこの二個の機関は人生と同時に社会に出で来たり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...かの反対者流をして二氏を指して民政の胎内より出で来たりたる近世のグラッカス〔ローマの民権家ティベリウス...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...外患を予測して出で来れり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...松平定信出で来るもあるいは難きを知る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...賢明年長なる儲弐(ちょじ)出で来(きた)る時には...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...宮廷隠謀の中より幕閣の御用部屋に出で来(きた)れり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...実に千八百三十年ブルボン朝の最後を遂げたる巴里(パリ)における七月の革命出で来りたる歳にして...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...宜(むべ)なる哉其の傑作「浅瀬の波」は深川砂村の辺に住われし事あるが故に出で来れるもの...
永井荷風 「偏奇館漫録」
... 妻にもと幾人(いくたり)思ふ花見かな破笠(はりつ)花見の中に交(まじ)りて行けば美人が綺羅(きら)を着飾りて沢山出で来る故に...
正岡子規 「俳諧大要」
...ただ余が先に余り些細なる事を誤謬(ごびゅう)といひし故にこの攻撃も出で来しなればそれらは取り消すべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ある時獅出で来て吼声四十里に達したので人蟒を遣わすに...
南方熊楠 「十二支考」
...ただ怪しんで跡より跡より出で来て殺された例も多く読んだから攷(かんが)うると...
南方熊楠 「十二支考」
...禁獄された人が絃を鼓する事数日にして鼠と蜘蛛(くも)が夥しく出で来り...
南方熊楠 「十二支考」
...お登和が君に差上げないのを残念に思っている」と勧(すす)むる背後(うしろ)へそうっと出で来れるお登和嬢「大原さん...
村井弦斎 「食道楽」
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