...「蘭の鉢を庭へ出せよ」と物柔らかに命じながら主公出で来られぬ...
饗庭篁村 「良夜」
...盲目の老人と共に出で来る...
芥川龍之介 「上海游記」
...銚子を手にして出で来れるは...
石井研堂 「元日の釣」
...たゞフラ/\と都門を出で来し身の...
石川啄木 「閑天地」
...夢徳寺(むとくじ)から弥勒菩薩(みろくぼさつ)の金像を背負って出で来た貫一の行手に...
海野十三 「奇賊悲願」
...都の巽より火出で来りて...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...病人を宿せる仮家より出で来たりけるとなん...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...蝉なくや小松まばらに山禿(はげ)たりなど例の癖そろ/\出で来る...
寺田寅彦 「東上記」
...そもそもこの二個の機関は人生と同時に社会に出で来たり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...かの反対者流をして二氏を指して民政の胎内より出で来たりたる近世のグラッカス〔ローマの民権家ティベリウス...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...生れもせねば老いもせず病も死もせぬ事を悟りて出で来りて...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...初めて余のおそるおそる格子戸明(あ)けて案内を乞ひし時やや暫くにして出で来(きた)られしは鼻下に髭(ひげ)を蓄(たくわ)へし四十年配の眼(まなこ)大きく色浅黒き人なりき...
永井荷風 「書かでもの記」
...供養(くよう)の卒塔婆(そとば)を寺僧にたのまむとて刺(し)を通ぜしに寺僧出で来りてわが面を熟視する事良久(しばらく)にして...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...諾(うべな)いて楼に上って待つと敵の大蛇あまたの眷属(けんぞく)を率いて出で来るを向う様(ざま)に鏑矢(かぶらや)にて口中に射入れ舌根を射切って喉下に射出す...
南方熊楠 「十二支考」
...爾時(そのとき)岩間より他の姫蟹一疋出で来り...
南方熊楠 「十二支考」
...近頃ようやく出で来た無線電話...
南方熊楠 「十二支考」
...先ず略式から試してみよう」と角煮を喫しおわりし時お登和嬢が二(ふたつ)の小皿を持て出で来りぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...妻君が勝手より出で来り「アラ貴郎(あなた)...
村井弦斎 「食道楽」
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