...「行きませう、お出でなさい、」「すみませんね、」譲はもう歩き出したがはじめのやうにとつととは歩けない...
田中貢太郎 「蟇の血」
...「お客さんは何方(どちら)からお出でになりました」「私は江戸から来た」「お山へお登りになりますか」「私は逢いたい亡者があって...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...同じ年頃の女房たちが五六人花やかに立ち出でゝおられる所へ通されたのです...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...ここを深く相考うべきこと頭(かしら)たる者よくよく心をつけもはや縁辺願い出で候節吟味(ぎんみ)を遂ぐべきことに候...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その腰間(ようかん)に横(よこた)う双刀の外に出でず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...以て自ら求めて名節を汚がすの位地に立つの愚に出でむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...この同一時間の切断面の呈出である...
中井正一 「美学入門」
...次の夜にはグノーがフオーストとの予告は出でたり...
永井荷風 「舞姫」
...直(たゞち)に家を出で...
永井荷風 「夜あるき」
...武者修行に出で立つべく...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あんなものあ、宅(うち)にあったって仕方がないんだから、持って御出でよ...
夏目漱石 「道草」
...「若男爵にここへお出で戴きませうか?」支配人がさう尋ねると...
南部修太郎 「死の接吻」
...一方自負(ふ)しつつ出でざる坂(さか)田三吉八段(だん)に或る憐憫(れんみん)さへ感(かん)じてゐる者だが...
南部修太郎 「下手の横好き」
...演説もろとも幸田を押退けると演壇の端まで進み出で...
久生十蘭 「魔都」
...あなたがお出でになった時...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...「ようお出でたなあ...
正岡容 「寄席」
...きわめて大なる男の顔は真赤(まっか)なるが出で来たれり...
柳田国男 「遠野物語」
...お起ち出であって」いつまでも...
吉川英治 「私本太平記」
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