...坪内君その前に出でて名を成したがために文学上のアンビションを焔(も)やしたのでさもなければやはり世間並の職業に従事してシャレに戯文を書く位で終ったろう...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...」お二人はさつきとは異つたところの事を話してお出でになるやうであつた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...例へば夢の中に伏床(ふしど)を拔け出でて終夜(よもすがら)山(やま)の巓(いたゞき)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...雲上の出であるからと云ってさまで別人あつかいをするには当らないが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...皆さんでお出で下さるなんて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...流れ出でたる黒き血は...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私と一しょにお出で下さい...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...いつしか運河の岸に出で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...病気引籠り中なので外出できない...
豊島与志雄 「立枯れ」
...この図書館はヴィジョン(夢)の中に生まれ出でている...
中井正一 「国立国会図書館」
...時また家を出で、日比谷公園を歩み、樹下の榻に憩ひミルボオが短篇小説集ピープドシードルを読む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...幕間に楽屋を出で風月堂に来りて晩餐をなすなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...出でむかえて見ている水夫共は...
中里介山 「大菩薩峠」
...思ひ出であるからといふわけではなしにるいは...
牧野信一 「湖の夢」
...はしき子ら出で来りつ桃下あかきに染(そ)まりみな笛のごとくうたへり...
室生犀星 「忘春詩集」
...わがくるしさいひ出でむとせしに...
森鴎外 「文づかひ」
...私のお父様が月川家から御養子にお出でになりましたのは...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の實音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の實の色のよろしさ柴栗の柴の枯葉のなかばだに如(し)かぬちひさき栗の味よさおのづから干て搗栗(かちぐり)となりてをる野の落栗の味のよろしさこの枯野猪(しし)も出でぬか猿もゐぬか栗美しう落ちたまりたりかりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり芒の中の嶮しい坂路を登りつくすと一つの峠に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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