...)ウン、左様々々(さうさう)、春まだ浅く月若き、生命の森の夜の香に、あくがれ出でて、……とかいふアノ唱歌ですて...
石川啄木 「雲は天才である」
...そっと部屋をたち出でた...
海野十三 「火星兵団」
...後醍醐(ごだいご)天皇は隠岐国(おきのくに)から山陽道に出でたまい...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「毛将軍がお出でましになった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「織成」
...その白きままにて今日まで捨てられたるを取り出でて...
田山花袋 「田舎教師」
...窕子の邸に來る時には、それがすぐ向うの長く續いた築土のところで一先その警衞の聲が留つて、そこで列を碎いて、先に立つたものが二三人、それも大抵はいつもきまつて鼻の際立つて大きい肥つた下司がふくみ聲で、『お出でます、お出でます……』と先觸するのが例になつてゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...さりながら維新の元勳として閣下の功勞は遠く伊藤井上の二者に出で...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...人身御供(ひとみごくう)に上げられる心配もまずありそうなことはなく――そうそうあられてはたまらない――それで江戸湾内を立ち出でる木更津船の形は...
中里介山 「大菩薩峠」
...繊々たる鴉黄(あおう)を仰いで出でた当分のことですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...立出でゝ喧嘩口論の勇氣もなく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...あるいは便所より出でて手を洗うことなく...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...然らば余もその同罪なればその由ブラツデイ氏に申出でたるに何故か氏は...
牧野信一 「淡雪」
...こゝでは机の抽出でも本箱の隅でもトランクの底でも...
牧野信一 「冬日抄」
...庭先は惣五郎の酒醒(さ)めて後悔せるとき主計之助出でその罪を謝する処...
三木竹二 「明治座評」
...他の八人中先出でてゐるものは第一...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...街道の思い出で、出雲から但馬路を経てこの村を通過した国造(こくぞう)家(出雲大社の千家)を迎えたことがあった...
柳田国男 「故郷七十年」
...で、じつはこなたも、極秘の院宣を、いかにせば無事におとどけなしうるか、御使(みつかい)の賢俊(けんしゅん)御坊も、おなやみの最中と、事を割ってはなしますと、思案のすえ、ならば供のうちに、備前飽浦(あくら)の佐々木党の一人、加治源太左衛門安綱がおる、これは海上の案内にくわしい侍、その者の才覚におまかせあれとのことだったのでございまする」「では、源太左衛門安綱が、御使の賢俊と薬師丸を、送って来るのか」「さらに道誉の家臣、田子大弥太も干魚船の水夫(かこ)となって、淀をまぎれ出で、海上これへまいる手はずとなっています」「そちはなぜ、べつに?」「万一のさいには、誰がわが殿へこれをお知らせいたしましょうか...
吉川英治 「私本太平記」
...一つは今朝にも咲き出でた樣に鮮かな純黄色の大輪の花を大空に向けて咲いてゐるのを見ると...
若山牧水 「樹木とその葉」
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