...彼はそこに生き甲斐のない自分を見出だした...
有島武郎 「An Incident」
...人々齡(よはひ)四十の上を一つ二つ踰(こ)えたる貴人の驚怖のあまりに氣を喪(うしな)はんとしたるを助け出だしき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...よって懐中日記を出だしてこれを示す...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...あわてて敷いていたるケットを取り出だし...
井上円了 「おばけの正体」
...その御手を取りて引き出だしまつりき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...何者の驕慢ぞ――この深夜一切倦怠の時薄明のわだつみの泡のやうに数夥しい侏儒のやからおのがじゝ濃藍色の影に拠り乱舞して湧き出でゝ竜眼肉の核(たね)めいたつぶら眼(まなこ)をむき出だし...
富永太郎 「深夜の道士」
...そもそもの出だしがいけなかった...
豊島与志雄 「憑きもの」
...一つ二つ蓮の巻葉が出だしてきた...
豊島与志雄 「蓮」
...イギリス年刊文学集が出だした頃のことで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...三把ばかり出だしけり...
萩原朔太郎 「花あやめ」
...「あ、煙が出だした、逃げよう、連れて逃げてくれ」とKは頻(しき)りに私を急(せ)かし出す...
原民喜 「夏の花」
...小切(こぎ)れ入れたる畳紙(たたうがみ)とり出だし...
樋口一葉 「あきあはせ」
...政府の命をもって人民の産業に手を出だし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...下小屋の連中はその持場を出だして棟木を待つだけになった柱組みを取りまいた...
本庄陸男 「石狩川」
...彼の仲間のうしろに混っている若ものを見い出だした...
本庄陸男 「石狩川」
...翌朝景一は森を斥候の中に交ぜて陣所を出だし遣(や)り候...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...あるいはその中(うち)にも契合点(けいごうてん)を見出だして...
森鴎外 「渋江抽斎」
...などが尻(し)ッ尾(ぽ)を振(ふ)りながら餌(えさ)をあさりに出だした...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索