...巖腹の凹みたる處に...
大町桂月 「冬の榛名山」
...二低地になつた野菜畑の間を抜けて、まるでどこかの城跡の石垣めいた、頑丈な円石を積み重ねた堤防の上に次第上りに出ると、いきなり目の前に、日を受けて白く輝き、小山のやうに持上り、凹み、或る所では優しげになだらかな線を引いた、だゝつ広い河原の拡がりが現れて来る...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一面より摩り初めて凹みの深(ふか)さ石の厚さの半(なかば)に達したる頃(ころ)...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...(之を凹み石と呼ぶ)(第五)皿(さら)或は箕(み)の如き形(かたち)にして長徑一尺許の者...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...死の凹みの附近に無数の足跡があったが...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...馬はどこか荒地(あれち)の中の凹みか...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...それから凹みの縁(ふち)へ上って来て...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...下が三尺の戸棚になってる床あきで凹み...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...しまいには中心の凹みに落ち込んで...
豊島与志雄 「絶縁体」
...降雨の度に少しずつ凹みながらも...
豊島与志雄 「古井戸」
...彼は眼が凹み、額から頬へかけた肉附がすっきりして、その両者が不調和な対照をなしていた...
豊島与志雄 「別れの辞」
...凹みによろめいて走った...
直木三十五 「南国太平記」
...凹みなどもあって...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの石を真綿できゅっと締めつけたような感じの縦の凹みが...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...百代子の後(あと)から足の力で擦(す)り減(へ)らされて凹みの多くなった石段を踏んで行く僕はこんな無意味な行動に...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...石の凹みにコッテリ付いて居ますぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丁度海老錠のおろしてあるあたりの長押(なげし)の凹みに何んの巧(たく)みもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斬るにしても慎重に! (ツッと炭焼竈の釜口の凹みに身を寄せて尾根――花道――の方を見詰める)今井 承知しました! (先刻自分の乗った岩の蔭に身を添えて峠道――自分達の出て来た右袖奥――を睨んで息をひそめる...
三好十郎 「斬られの仙太」
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