...その東の方の隅に凹字形をした石鎚山が奥深く控へて...
安倍能成 「初旅の残像」
...凹面レンズのようになったり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...千駄谷(せんだがや)の凹地(くぼち)に新築の家屋の参差(しんし)として連なっているのが走馬燈のように早く行き過ぎる...
田山花袋 「少女病」
...此の凹地の北側は一個所だけ少し低くなっている...
知里真志保 「あの世の入口」
...鋭い輪廓と細い小凹凸は第4図(第1図版)に見られる如くである...
中谷宇吉郎 「雪」
...無理にそれを取り払ったような凸凹(でこぼこ)だらけの新道路の角(かど)に立って...
夏目漱石 「明暗」
...眼の凹(くぼ)んだ...
夏目漱石 「倫敦塔」
...塀の一箇所に凹(くぼ)みを拵(こしら)へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...丁度人間の膝ッ小僧の跡位の凹みが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ベッドから、食器棚から、凸凹した床から、そこら中を、のたうち廻った...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...そんな事でこの幸田を凹まそうとしたッてそれぁ無理だァ...
久生十蘭 「魔都」
...即ち「凸凹」までに定る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...五時近く終って、「凸凹」を立つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そこの壁の凹んだところに...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...――私の向っている凸凹のある鏡には...
堀辰雄 「雉子日記」
...金吾さんがうつぶしに倒れた所が人間の形にポカリと凹んでいる...
三好十郎 「樹氷」
...私が姉さんの頬の凹(へこ)んだ処はきっと直して上げます」と云ううちに二人を抱き上げて...
夢野久作 「黒い頭」
...凹地の中では、所々に火の立つてゐるのが、見えるが、煙はもうすつかり逃げ出して、大崖全體が眞黒な恐しい光景になつてしまつた...
吉江喬松 「山岳美觀」
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