...凸凹(でこぼこ)の瘤頭(こぶあたま)を臆面もなく天日(てんぴ)に曝して居るし...
石川啄木 「漂泊」
...自殺をはかったような恰好だ!」叩きつけられた艦首は大きく凹(へこ)んでしまった...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...二低地になつた野菜畑の間を抜けて、まるでどこかの城跡の石垣めいた、頑丈な円石を積み重ねた堤防の上に次第上りに出ると、いきなり目の前に、日を受けて白く輝き、小山のやうに持上り、凹み、或る所では優しげになだらかな線を引いた、だゝつ広い河原の拡がりが現れて来る...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...是等の中には單(たん)に凹(くぼ)ましたるも有り亦朱にて彩(いろど)りたるも有り...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...橢圓形(だゑんけい)の部の周縁に縫(ぬ)ひ目(め)の如き凹みの存するとの二つに由つて考(かんが)ふれば恐(おそら)くは獸の皮なりしならんと思はる縁の部のみは布(ぬの)にて作りしものも有りしにや...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...紙型は雁皮紙を數枚あはせれば凹凸が鮮明になることや...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...畦間(うねま)へ淺(あさ)く堀(ほり)のやうな凹(くぼ)みを拵(こしら)へてそこへぽろ/\と種(たね)を落(おと)して行(ゆ)く...
長塚節 「土」
...その凹凸の小路をヴアイオリンのケースを提げた若者たちがいそいそと通つてゐた...
原民喜 「火の踵」
...そのとき舖石の凸凹につまづいて永井が倒れた...
堀辰雄 「「繪本」」
...そのあとにはコンクリの生地が鼠色に凹んで行った...
本庄陸男 「白い壁」
...ホテルから近い教会の奇妙な凸凹などの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...号凹巷(あふこう)で...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...又凹巷の家を訪うた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...布の面(おもて)に凹凸が現れる特別な織物であります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...画家の名を負うたン・ダイクの河岸(かし)の凹凸(あうとつ)の多い石畳を踏み...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...敷石は車輪の跡で凹(くぼ)んでゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...眼のくぼが凹(くぼ)んでいて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...堀割りの様になつた凹みの路には堆く落葉が落ち溜つてじとじとに濡れてゐた...
若山牧水 「木枯紀行」
便利!手書き漢字入力検索