...あらしはしかしいつのまにか凪(な)ぎてしまって...
有島武郎 「或る女」
...朝凪(あさな)ぎの小波(さざなみ)が...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...專修念佛(せんじゆねぶち)の行者(ぎやうじや)らが都入(みやこい)りする御講凪(おこうな)ぎ...
薄田淳介 「白羊宮」
...・いちにち雨ふり春めいて草も私もめつきり春めいて百舌鳥が啼くのもゆふ凪の雑魚など焼いて一人・寝床へまでまんまるい月がまともに・かうして生きてゐる湯豆腐ふいた二月十九日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...□□の夕凪といって他の名物を自慢するように自慢にしているらしい...
寺田寅彦 「夕凪と夕風」
...空気が凪いで澱んでいる時には...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...凪(な)ぎ渡った海気で漲(みなぎ)り...
中里介山 「大菩薩峠」
...この時暴化(しけ)はだんだん凪(な)いで来たのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...夜のひき明けごろから風が凪いで...
久生十蘭 「海豹島」
...渺茫たる青海原が陽春の日の下に凪ぎ渡る……間もなく彼の肉体はその喜びだけで充満する――「一時も早く彼の海辺へ走らう...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...風は凪いでゐるのに...
正宗白鳥 「吉日」
...大凪(なぎ)とはさざ波を立つるほどのそよ風さえもなきことを言うが如く...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...二三)今日は良い凪だった...
山本周五郎 「青べか日記」
...烈風は小凪(こなぎ)になったが...
吉川英治 「三国志」
...夕凪(ゆうなぎ)の暑さに加えて...
吉川英治 「私本太平記」
...天下は凪(なぎ)のごとく治まっていると思いのほか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...凪(な)いだ海の底を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ツイ左手近く響いてゐる浪の音もあるかなしかの凪ぎである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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