...原(はら)は一面(いちめん)蒼海(さうかい)が凪(な)ぎたる景色(けしき)...
泉鏡太郎 「一席話」
...こっちは何にも知らなかろう、風は凪(な)ぐ、天気は可(よし)...
泉鏡花 「歌行燈」
...風も凪(な)げてこのえい日になったのんを戸をあけないで」こう云ってお小夜は...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...海は凪いでゐた...
太宰治 「道化の華」
...暴風一過、けろりと凪いだ...
種田山頭火 「其中日記」
...午後はひたすら高知へ強行した、申訳ないけれど、第二十八番、第二十九番は遥拝で許していただく、風が出て来たが、ほどなく凪いで、のどかな小春日和になった、御免からは路面舗装、身も心も軽い、思いかけなく、電車から降りた母子の方から拾銭玉を頂戴した(この十銭が私を野宿から助けてくれた!)...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...そうして海陸の位置分布の関係でこの凪の時間が異常に引延ばされるらしい...
寺田寅彦 「夕凪と夕風」
...凪(な)ぎつくした静穏に封じ込められて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...*おお風が凪いだ...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...風もない凪(な)ぎの海から波が立って...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...少し霞(かす)んだ空と同じ色をした海がうらうらと凪(な)ぎ渡っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夕凪(ゆうなぎ)の日には...
森鴎外 「鶏」
...またの暁(あかつき)より波風(なみかぜ)やや凪(な)ぎしを覚え申し候(さふらふ)...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...夕凪(ゆうなぎ)の暑さに加えて...
吉川英治 「私本太平記」
...凪(なぎ)の底を荒れている土用波のように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...泥棒が入ッているぞっ」四沼の凪(なぎ)みたいな哀傷に暮れていた土肥家では...
吉川英治 「松のや露八」
...海は然し却つて不氣味な位ゐに凪いでゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...風は幾らか凪いで来て...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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