...処々の常夜燈はそろそろ光を放ち始めた...
田山花袋 「蒲団」
...その個処々々に於ける著者の注がみずから之を訂正しているのでも判る...
戸坂潤 「読書法」
...処々に切り張りがしてあった...
豊島与志雄 「反抗」
...処々にカンヴァスの布目が覗き出していた...
豊島与志雄 「二つの途」
...処々(ところ/″\)の冬枯(ふゆが)れして立つ大木(たいぼく)の下(した)に...
永井荷風 「すみだ川」
...本郷(ほんごう)の高台(たかだい)を見る処々(ところどころ)には...
永井荷風 「日和下駄」
...足場に使った材木さえ処々に残っているくらいの半建(はんだて)である...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...路はまだ処々で煙り...
原民喜 「夏の花」
...その菜園には処々に林檎その他の果樹が植えてあって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...無論一体に疵(きず)だらけで処々(ところどころ)鉛筆の落書の痕(あと)を留(とど)めて...
二葉亭四迷 「平凡」
...処々に二三百年の大樹が茂つてゐて...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...それから意馬心猿(いばしんえん)という事、『類聚名物考』に、『慈恩伝』に〈情は猿の逸躁を制し、意は馬の奔馳(ほんち)を繋(つな)ぐ〉、とあるに基づき、中国人の創作なるように筆しあれど、予『出曜経』三を見るに〈意は放逸なる者のごとく、愛憎は梨樹のごとし、在々処々に遊ぶ、猿の遊びて果を求むるがごとし〉とあれば少なくとも心猿(ここでは意猿)だけは夙(はや)くインドにあった喩(たと)えだ...
南方熊楠 「十二支考」
...紀州の山中処々に野生があった...
南方熊楠 「十二支考」
...旅店の背(うしろ)なる山に登りて見るに、処々に清泉あり、水清冽(せいれつ)なり...
森鴎外 「みちの記」
...特別に山の人と懇意にしていたという者が処々にあった...
柳田国男 「山の人生」
...あの伊太利(イタリー)少年のジョージ・クレイはどうした訳か存じませぬが今朝(けさ)から行方がわからない事に相成りました」嬢がここで一寸息を切ると場内の処々(しょしょ)に軽い……けれども深い驚きの響きを籠めた囁きの声が...
夢野久作 「暗黒公使」
...処々に英語を交ぜた...
夢野久作 「暗黒公使」
...処々(しょしょ)三四行乃至(ないし)十四行宛(ずつ)要領の得悪(えにく)い文句が挿まっていて...
夢野久作 「謡曲黒白談」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??