...枝川や用水堀の処々に...
石井研堂 「元日の釣」
...処々に馬を脱(はづ)した荷馬車が片寄せてある...
石川啄木 「鳥影」
...二葉亭は朝日を代表して東道の主人となって処々方々を案内して見せた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...時によると父は同行して何週間も処々方々を回ることさえございました...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...ひとりで父の建てた茶室や東家の処々にある裏山に逃げ上っていた...
田中英光 「さようなら」
...野梅(やばい)の若木が二三本(ぼん)処々(ところ/\)に立つて居(ゐ)るばかり...
田山花袋 「父の墓」
...和合(コンコード)の間と食堂との間の通路の処々方々に偶然にもみんなぶらぶらしていたのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...ただ処々に立ててあった高札だけは...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...「輓近又処々ニ温泉場ヲ開クモノアリ...
永井荷風 「上野」
...皺(しわ)だらけの老婆が髪を島田に結ひ顔には処々(ところどころ)に膏薬(こうやく)張り蓆(むしろ)を抱(かか)へて三々伍々(さんさんごご)相携へて橋辺(きょうへん)を歩む夜鷹(よたか)を写生したる画家なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...処々に広漠たる空地(あきち)があるので...
永井荷風 「深川の散歩」
...野菊に似た小さな花が処々に見える...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それと比べて見ると処々字が違っている所があります...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...処々が鼻血の痕で汚れてゐた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...独り楽天の文は既に老熟の境に達して居てことさらに人を驚かすような新文字もないけれどそれでありながらまた人を倦(う)まさないように処々に多少諧謔(かいぎゃく)を弄(ろう)して山を作って居る...
正岡子規 「徒歩旅行を読む」
...しかし処々に白い斑の入った姫熊笹を飛び飛びにかすれた墨絵のように植えるのは...
室生犀星 「庭をつくる人」
...そこで植辰がわでは花壇の要所とおぼしき処々へ茶店を設けた...
山本周五郎 「寒橋」
...処々(ところどころ)乱痴気騒(らんちきさわ)ぎが初まっている...
夢野久作 「爆弾太平記」
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