...路(みち)には処々(ところどころ)...
泉鏡花 「海の使者」
...処々にぶざまな凹(くぼ)みを見せていた...
梅崎春生 「日の果て」
...その柵の間から見えるゆるやかな斜面(スロープ)の庭には遥(はる)かの麓(ふもと)まで一面の緑の芝生の処々に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...竿(さを)を当てる襦袢(じゆばん)が処々(ところどころ)破れて居た...
田山花袋 「朝」
...岸の灯(ともし)が明るく処々(ところどころ)に点(つ)いて居た...
田山花袋 「朝」
...処々の常夜燈はそろそろ光を放ち始めた...
田山花袋 「蒲団」
...それは処々に結節点を持つ線の上を歩んで行く...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...処々に小さな灌木の茂みが風にそよいでいるだけで...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...処々に切り張りがしてあった...
豊島与志雄 「反抗」
...それでもまだ処々に閑地を残している...
永井荷風 「日和下駄」
...即今目前孤明歴々地聴者、此人処々不滞、通貫十方といわれる...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...蓮根採取用として処々に植えられています...
牧野富太郎 「植物記」
...(八月十二日)九十三(大做小做のツヅキ)(土)この頃の霖雨(りんう)で処々に崖が崩れて死傷を出した処もあるさうだ...
正岡子規 「病牀六尺」
...何万年の永(なが)い間には処々(ところどころ)水面(すいめん)から顔を出したりまた引っ込(こ)んだり...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...処々は裂けたれば...
森鴎外 「舞姫」
...呑み節を叮嚀に直した墨の痕跡と胡粉(ごふん)の痕跡が処々残っている極めて読みづらい本であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...その鍬の柄(え)の処々に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その塔の処々には小さな窓があって...
夢野久作 「雪の塔」
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