...百歳の眼には凡てのものが美しく珍らしく見えた...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...たゞこの平凡な一句でも自分には百万の火箭を放つべき堅固な弦(ゆみづる)だ...
石川啄木 「雲は天才である」
...(二)今(いま)から大凡(おほよそ)十三四年(ねん)以前(いぜん)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...それがどんなに現在の凡人に無稽(むけい)に見えても実は現在の可能性のほんのわずかの延長にしか過ぎないからである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...物質の変化は凡て外的原因を有つことが已に述べられたが...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...問題は凡ての民衆が一般的に夫をなし得ないからこそ起きるのだ...
戸坂潤 「学生の技能と勤労大衆」
...凡そ今日の所謂る政黨なるものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...凡そ斯る顯象を以て滿たされたる議會が...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...殆んど凡ての文学は恋愛事件を含んでいるから...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...今度の事件に就て凡ての解決者はそれだらうと思ふ」「君には責任がないのか」「僕は三千代さんを愛してゐる」「他(ひと)の妻(さい)を愛する権利が君にあるか」「仕方がない...
夏目漱石 「それから」
...そればかりではなく、多の市も我慢の角を折って、十年別れ住んだ女房のお皆と一緒になり、お浜と吉三郎を娶合(めあ)わせ、平凡ながら、腕の良い按摩で無事に一生を終ったということです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...凡(およ)そ二年余り三年になっても同様であるから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それから三年ほど、彼らは平凡に、幸福な家庭生活を営んでいたのだろう...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...凡(およ)そこれらの事は何一つ無事庵と余と異なる事のないのは病気のためとは言へ...
正岡子規 「病牀六尺」
...一九四八年六月大久保にて訳者凡例一...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...關東の平野の平凡さにくらべると...
室生犀星 「京洛日記」
...材料は凡て楮(こうぞ)で強い張りのある紙であります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...または用いる手法も凡てが至純である...
柳宗悦 「民藝四十年」
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