...これら凡百(はんぴやく)の話題を緯(ぬき)にして...
石川啄木 「葬列」
...峰頭平凡で記すべき事はない...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...この隨神門より葛籠岩まで、凡そ十町、せまき谷あひにて、一道の清溪、白玉を躍らし、兩方の山、多く骨をあらはして、鞍掛岩、鉾ヶ岳、御姿岩、葛籠岩を最も奇とし、その他、奇石怪石、一々數ふるに遑あらず...
大町桂月 「冬の榛名山」
...御説(せつ)に曰(いはく)「凡(およそ)物(もの)方体(はうたい)は(四角なるをいふ)必(かならず)八を以て一を囲(かこ)み円体(ゑんたい)は(丸をいふ)六を以て一を囲(かこ)む定理(ぢやうり)中の定数(ぢやうすう)誣(しふ)べからず」云々...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...凡て一個の仮定説として...
高木敏雄 「比較神話学」
...しかしおそらくこれはすべての役者に昔からよく知られたきわめて平凡な事実であるかもしれない...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...凡ての事に大變化を來してゐる...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...凡そ観念の存する処...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...凡そ黨派政治家は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...子供に対する権利を凡て...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼(かれ)は彼(かれ)の懷(ふところ)に幾分(いくぶん)の餘裕(よゆう)を生(しやう)じて來(き)たことが凡(すべ)ての不滿(ふまん)を償(つぐな)うて猶(なほ)餘(あまり)あることであつた...
長塚節 「土」
...凡(すべ)てが寂(しん)としていた...
夏目漱石 「それから」
...凡十五六丁も周り有らん哉に聞...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...然るにかやうに現在が凡ての時間的なものを包むといふ思想はまたアウグスティヌスのものであつたのである...
三木清 「歴史哲學」
...特色のある派手(はで)な字というのではないが決して平凡ではないのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝鮮人を凡(すべ)て高麗人と呼ぶのは昔からのならわしである...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...美しい品々がほとんど凡て他力の恩沢を浴(あ)みていることであります...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...凡人なみに、年の数で彼を律することは当りません」と、説いたので、やや心をうごかし、それでは明日、その玄徳を一目見て、もし自分の心にかなったら、むすめの婿としてもいいが――と云い出した...
吉川英治 「三国志」
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