...一たいこんな凡庸(カマンプレイス)な街上風景の片鱗ほど...
谷譲次 「踊る地平線」
...だが新聞紙はまだ新聞の凡てではない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...凡てのものの中心であった自分自身が微々たるものになって...
豊島与志雄 「大自然を讃う」
...凡そ十軒ばかり先方の屋根の下に...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...それらが車の動揺のために、凡てぎごちなく、随ってまた浮出して目立つに違いない...
豊島与志雄 「女人禁制」
...この三の句までの平凡な處が非常に好きなんだ...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...凡そ先生の詩は、日常雅事俗事となく、その詩材となつて一種の生活詩をなしてゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...凡(すべ)てあなたのよく道具に使われる音楽が...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...ここに一念発起したコン吉が、詩神(アポロン)の大威業力に依願し、前掲の拙劣なる短詩をコントラ・バスの伴奏にのせ、日ごと毎日わびしげに独唱するところ、凡夫の悲願、タヌキ菩薩もあわれと思召(おぼしめ)し給いけむ二月上旬のとある天気晴朗の朝、避寒ならびにコン吉の脳神経に栄養を与えるため、地中海沿岸の遊楽地へ向けて再度出発することに決定、けだしコン吉が手籠の編目に、三昧の鼻の先を突っ込んで寝こけているのは、いまや大願成就して、欣求(ごんぐ)の南方極楽浄土(コオト・ダジュウル)におもむくその途中にほかならぬ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...凡そ犯罪などとは縁の遠い...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...凡そ此邊の趣向にしたらば...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...「平凡であるやうに努力せよ」と...
堀辰雄 「レエモン ラジィゲ」
...支部によって指導される文学サークルは凡そ二百十余もある...
宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
...「レドクソン」は二百五十粒が二十五円で凡そ四十日持つでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わたしはすこぶる平凡な意見しかきかされなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...七凡ての人間は現世にいる限りは誤謬(ごびゅう)だらけなのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そしてものの凡ゆる愛と匂とに眞實をこめた自分の詩は汎く豐富にしてかぎりなき深さにある自然をその背景乃至内容とする...
山村暮鳥 「風は草木にささやいた」
...われわれは平凡に寢なければならない...
横光利一 「寢たらぬ日記」
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