...商周已下、秦漢至二於今一、凡二十二史、皆以レ武開レ國、以レ文治レ之...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...年末迄(ねんまつまで)には一億(おく)六七千萬圓(まんゑん)と云(い)ふ大凡(おほよそ)の豫想(よさう)が付(つ)いたのであつた...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...とある場末の貧しき往來に平行した下駄屋の店で夫は仕事場の木屑の中に坐り妻は赤子を抱いて座敷に通るあがりかまちに腰をかけ老いたる父は板の間に立ち凡ての人は運動を停止し同じ思ひに顏を曇らせ茫然として眼を見合して居るのをその顏に現はれた深い痛苦...
千家元麿 「自分は見た」
...市中(いちなか)は物のにほひや夏の月凡兆(ぼんちょう)あつし/\と門/\(かどかど)の声 芭蕉「暑い夏の夜市中を通っておるとむくむくと物の匂(にお)いが鼻を衝(つ)く...
高浜虚子 「俳句への道」
...今にして初めて平凡の偉大なるを知る」と書いた...
田山花袋 「田舎教師」
...すると胸の奥の方で、自分はつまらぬ、平凡な、やくざな、取るに足らぬ女だ、と幽(かす)かに洞(うつ)ろな声で囁くものがある...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...凡そ現実的存在は吾々の意識を通路としてのみ生として生きてあることが出来又体験されることが出来るからである(現象性の命題)...
戸坂潤 「辞典」
...だがこの新しい意味での大学(ラジオ大学講座?)は殆んど凡て言論的科学についての大学に限る他なかった筈である...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...凡庸(ぼんよう)な輩と共通な点ばかりであって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...凡てを押しのけてむくむくと脹れてくる生命が――宿ってるのだ...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...國家に於ける凡ての權力の根本は天子一人これを有して...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...凡てが進むべき方向に進んだとしか考え得なかった...
夏目漱石 「それから」
...平凡(へいぼん)な出來事(できごと)を重大(ぢゆうだい)に變化(へんくわ)させる運命(うんめい)の力(ちから)を恐(おそ)ろしがつた...
夏目漱石 「門」
...凡(すべ)て予審判事が出動して行ったので...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...さいわい自分の放心ぶりは彼等に愚直凡庸な人物であるかのような印象を与えているから...
久生十蘭 「黒い手帳」
...たとえどんなに平凡なことでも...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...それは凡て現世での避け難い出来事なのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...凡人なかなかさう行かない...
若山牧水 「樹木とその葉」
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