...先年凡僧(ぼんそう)こゝに住職し此石を見て死(し)を惧(おそ)れ出奔(しゆつほん)せしに翌(よく)年他国(たこく)にありて病死せしとぞ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...何(な)んでも凡(およ)そ手(て)に觸(ふ)れた所(ところ)の物(もの)は...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...平凡なる書画物語は...
田山花袋 「蒲団」
...極めて平凡なものの観察でさえも映画によって始めて可能な利益があるとすれば...
寺田寅彦 「教育映画について」
...そして平凡のうちに彼の方が勝となった...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...凡ては無限で、宇宙の中に何一つ有限なものはない...
豊島与志雄 「椎の木」
...然し結果は凡そ予想し得られた...
豊島与志雄 「生あらば」
...大西ばかりでなく、凡て酒の上では、男はみな独身者になる...
豊島与志雄 「別れの辞」
...雨戸(あまど)を閉(と)づる時(とき)蛙(かへる)の聲(こゑ)は滅切(めつきり)遠(とほ)く隔(へだ)つてそれがぐつたりと疲(つか)れた耳(みゝ)を擽(くすぐ)つて百姓(ひやくしやう)の凡(すべ)てを安(やす)らかな眠(ねむ)りに誘(いざな)ふのである...
長塚節 「土」
...会心の機を早速(さそく)に捕えた非凡の技(ぎ)と云わねばならぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...平凡そのものの存在である...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...非凡の色つぽさです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...又ついで 業成ると云はば云ふべき子は三人他は如何さまにならんとすらん とも歎いて居られるが結果は一人の例外なくこれら凡ての子女をも女の手一つで立派に育て上げられたのであるから驚き入る外はない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その間のところどころに堆く積まれてある藁などで凡てが静寂の中に沈んでゐるのである...
北條民雄 「青い焔」
...これほど別れてゐた間に此方は相変らず平凡な孤独であるが...
牧野信一 「なつかしき挿話」
...凡ての歴史敍述の根柢には一般に何等か一定の史觀が横たはつてをり...
三木清 「歴史哲學」
...彼らが朝夕見慣れいた平凡極まる事物一切が...
南方熊楠 「十二支考」
...それを聞かされた一瞬は凡人以外のものではなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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