...とにかく自分も凝り性でしたから...
淡島寒月 「我が宗教観」
...)さて、『父の婚禮』といふ小説のなかに、作者の父らしい人が、二尺五寸ぐらゐの長さの、おなじ太(ふと)さの、炭を、二十本ほど、弦(つる)のついた鋸で、おなじ長さに、切るのに、半日つひやすところがあるが、かういふ、几帳面さ、凝り性、癇性、妙な贅澤さ、それが病的でさへあつたところは、小劍も、持つてゐたやうである...
宇野浩二 「「鱧の皮 他五篇」解説」
...古代埃及人程ひどく凝り性なのかもしれない...
ボードレール 富永太郎訳 「射的場と墓地」
...写経に凝りだしたのも...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...だから……と云ってはあまり飛躍しすぎるけれども、リイラダンの「ヴェーラ」に於て、ダトール伯爵はその最愛の夫人ヴェーラの死後、その居室を彼女の生前の状態通りにし、彼女と二人で暮していた時と同様の日常を続け、そこに閉じこもっていたところ、遂にその室――長椅子、衣裳、煖炉棚、宝石、香料、寝台、花瓶、ピアノ、楽譜、窓掛、其他さまざまのもの、その全体が、彼女の生前同様の雰囲気で生き上り、その中心にある空虚が、次第に凝り、彼女の形態を取り、そこに彼女が身を置けば凡て満たされるばかりになり、而も未だその空虚はそのまま、じっと持ちこたえられて、今や極限に達し、崩壊の危機の瞬間に、彼女と全く同質のその空虚は、忽然と彼女を出現させた……...
豊島与志雄 「文学以前」
...凝りに凝った渋いもんだよ」「その紐をわたしが解きましょう」「落着いてやりな」「あけて口惜しき...
中里介山 「大菩薩峠」
...見物人は肩の凝りが解けるといふよりは珍らしい勝負の話に餘念もないありさまである...
長塚節 「撃劍興行」
...聽いて居るだけでも肩の凝りさうなのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...町人には珍らしい物の凝りやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...向付(むこうづ)けは唐津(からつ)の片口(かたくち)といったふうな凝り方なので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...律気な合力に凝りだしたものなのであった...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...そこで凝り固まっていたが...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...僕が一時チェスタアトンやビイアボオムなどのエッセイに凝り出したのはその頃である...
堀辰雄 「春淺き日に」
...叔父のジャスパーペインも凝り性だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...やはり凝り固まった自分ばかりを考えている私自身に...
室生犀星 「童子」
...木偶(でく)のように凝り固まって立っていおる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...米英諸国は侵略主義に凝り固まっているから自分たちの弱点をわる賢く...
山本周五郎 「季節のない街」
...いずれにしても或る硬度にまで凝り固まった融通の利かぬタチで...
夢野久作 「鼻の表現」
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