...彼の変った凜とした姿を凝視(みつ)めて居た...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...巽は眉の凜とした顔を上げて...
泉鏡花 「浮舟」
...最初の凜とした声の冴(さ)えを失って...
中里介山 「大菩薩峠」
...「騒ぐな」凜とした叱咤の声...
野村胡堂 「古城の真昼」
...覚悟しあがれッ」凜とした声が...
野村胡堂 「礫心中」
...鎮まれッ」凜とした声...
野村胡堂 「礫心中」
...やがて凜とした甲聲(かんごゑ)『殺せ...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...小柄な姿は凜としたものがあつた...
原民喜 「廃墟から」
...「通して」凜とした語調で答えて...
火野葦平 「花と龍」
...尖つたやうな頤のかたちが反つて凜としたおもむきを添へてゐた...
牧野信一 「街角」
...圓太郎とは比べものにも何にもならないほど凜とした気質(きだて)のおんなだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...「お伽(とぎ)します」凜とした...
正岡容 「寄席」
...柄に似合ない凜とした聲で答へた...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...まあその犬のおごそかな風采といつたら!ちようど外の人達に連れられてゐた小さな犬達が、二三匹集つて臆病さうに吠えたてゝゐるのを、立ち止つて足を揃へて、睨めるやうにぢつと見つめてゐるその容子の立派だつたことつたら……威風あたりを拂ふとでもいふのでせうね、凜とした、さうしておほきな感じのするあの威嚴を、私はとてもとても人間には見ることができないとその時思つてよ...
水野仙子 「犬の威嚴」
...毎年のように紫色をした威勢のいい凜とした菫(すみれ)の花が咲いた...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...平常は何處やらに凜とした所のある娘だが...
若山牧水 「姉妹」
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