...折からの寒さを凌ぐために着てゐた外套を脱ぎ捨てゝ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...強を恃んで弱を凌ぐ...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...その宏壮と豪奢においてコンコードの主要道路に立っているどれをも凌ぐような家を建てるつもりでいる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...高さ雲を凌ぐばかりになった...
田中貢太郎 「長者」
...ガラクタを焚いて凌ぐ...
種田山頭火 「其中日記」
...凌ぐを得せじ説きも得じ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...頭と厚き肩と共アルゴス人を凌ぐ者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...經濟的にはそこらの武士をはるかに凌ぐものがあつたと思はれるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...親子三人大骨折して後の山にようよう雨露を凌ぐばかりの仮小屋を建てて其処に住んだ...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...伯の生活の贅沢なる殆んど王侯を凌ぐの勢あるを見て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...菊池寛君の「東京行進曲」の映画化が外国映画を凌ぐ人気の中心になっているのも...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...仮舎は辛うじて雨露を凌ぐ程度で...
永井隆 「長崎の鐘」
...雨露を凌ぐに足るだけのバラックである...
火野葦平 「花と龍」
...八つ山下の茶屋をんな寒さを凌ぐ茶碗酒とかの投げ節の作者の材ともなつたのであらう...
正岡容 「山の手歳事記」
...勿論、あなたは以前から、いろいろとユリの成長について、上にかぶさって来る或はひきずっている様々のものを見ていらしたし、それについてふれて来て下さっていましたが、去年は、私が自身の生活事情が変化したことから、それを凌ぐ、或は受けとめる内心の要求として、自分の作家的な経歴というようなものや何かにつよく執したと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...或いはかれらを凌ぐ存在にのしあがらなければならぬが...
山本周五郎 「新潮記」
...優に前者を凌ぐものさえある...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
...その先にはヒマラヤの高峰を凌ぐ恐怖の輪郭があった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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