...折からの寒さを凌ぐために着てゐた外套を脱ぎ捨てゝ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の有無(ありなし)では約二割方、仕立上りの値が違う...
泉鏡花 「薄紅梅」
...俗(よ)に本玉(ほんたま)とかいふ水晶製の眼鏡の価貴(たか)きをも厭(いと)はで此彼(これかれ)と多く購(あがな)ひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...炬燵なしにこの冬を凌ぐだけの活気を残されてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...凌ぐを得せじ説きも得じ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...アカイア人の數優(いう)に城内すめるトロイアの數を凌ぐは斯くばかり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...日々に雄々しく雨風を凌ぐ大見る如し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ヘープァイストスの青銅の不壞(ふえ)の*神殿燦爛(さんらん)と 370光りて他(ほか)を凌ぐもの...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...伯の生活の贅沢なる殆んど王侯を凌ぐの勢あるを見て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...雨露を凌ぐに足るだけのバラックである...
火野葦平 「花と龍」
...山の夜風をどうして凌ぐかと思はれるやうな...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...どんなに凌ぐに張合あるものとなって来るだろう...
宮本百合子 「合図の旗」
...凌ぐべからざる程の困難はないやうに思ひます...
森鴎外 「假名遣意見」
...そして一時の不愉快を凌ぐ事が出来ただらう...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...もしクセノフォンやカエサルの勲功が彼らの雄弁をはるかに凌ぐものでなかったならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...凌ぐのがむしろ自然である...
柳宗悦 「工藝の道」
...その先にはヒマラヤの高峰を凌ぐ恐怖の輪郭があった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...彼らの知能は人類を遥かに凌ぐと結論づけた(*4-2)...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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