...これ等にはほんの雨露を凌ぐといった程度のものから...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...俗(よ)に本玉(ほんたま)とかいふ水晶製の眼鏡の価貴(たか)きをも厭(いと)はで此彼(これかれ)と多く購(あがな)ひ求めて掛替々々凌ぐものから(中略...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...牛や豚をもって餓を凌ぐ以上はいかにこれを愛したとてただ従来五秒で殺したところを三秒で殺すように改良し得るのみで...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...嘗て一古寺に遊ぶ、檐(のき)朽ち柱傾き、破壁摧欄、僅に雨露を凌ぐ...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...高さ雲を凌ぐばかりになった...
田中貢太郎 「長者」
...寒暑や飢餓を凌ぐにさえ足りれば様式などは問う所でないと云う人もあろう...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...たゞ雨露を凌ぐだけの庵を結ぶのもなか/\である...
種田山頭火 「行乞記」
...たべられ方は焼芋のそれを凌ぐかも知れない...
種田山頭火 「行乞記」
...ガラクタを焚いて凌ぐ...
種田山頭火 「其中日記」
...アカイア人の數優(いう)に城内すめるトロイアの數を凌ぐは斯くばかり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...集議にアカイアの子らを遙に君凌ぐ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...經濟的にはそこらの武士をはるかに凌ぐものがあつたと思はれるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...僅かに雨露を凌ぐに足るだけの住居と...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...二十人の男どもがいいほどに餓えを凌ぐのに...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...八つ山下の茶屋をんな寒さを凌ぐ茶碗酒とかの投げ節の作者の材ともなつたのであらう...
正岡容 「山の手歳事記」
...ホンの一夜を凌ぐ為に安い宿を探しているのです...
松本泰 「緑衣の女」
...凌ぐべからざる程の困難はないやうに思ひます...
森鴎外 「假名遣意見」
...どの家も雨露を凌ぐだけの小屋掛である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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