...冬も凌ぎにくいと云ふ程の日はない...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...財政の基礎薄弱にして如何でか内外に信用を維持し得べき政府は歳入の目的増加ありと云ふも此の如き不確實なるものを以て到底財政上の信用を得る能はず一時凌ぎの計畫は國家を誤るものなり...
石川啄木 「雲間寸觀」
...皇輿たちまちに駕して、山川を凌ぎ度り、六師雷のごとく震ひ、三軍電のごとく逝きき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...小屋掛の身はどんなに凌ぎ難からうと...
薄田泣菫 「桜の花」
...ずいぶん凌ぎにくい所でありますが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...いまだに御粥(おかゆ)と玉子にて御凌ぎは定めて御難渋の事と御察し申上候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...強を以て弱を凌ぎ...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...年寄でも凌ぎよい...
種田山頭火 「其中日記」
...その先頭に他を凌ぎアガメムノーンまた奮ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...白く碎くる激浪のかしらを凌ぎ飛びこせり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かゝる苦戰の難局をいかに勵むも凌ぎ得じ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...他の一切の人凌ぎ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...退屈凌ぎに三四行ずつ書きちらしてはそのまま破き捨てるんだから...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...寒さ凌(しの)ぎに一献(いっこん)参(まい)らせる」「催促をしたようで恐れ入るな」「拙者ひとりで寒さ凌ぎをやろうと思うていたところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...本当に朝夕が凌ぎよくなりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...先冬あたたかに雪なく、夏涼しくて雷なく、凌ぎよき年也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その実力を凌ぎ飛躍をする...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...寒さ凌ぎも兼帯で...
山本笑月 「明治世相百話」
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