...歌麿式の凄艶な容姿の婦(をんな)がやつて来て...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...洋装の凄艶(せいえん)なマダムとも令嬢とも判別しがたい美女が乗っていた...
海野十三 「人造人間事件」
...その横に寄り添っている凄艶なる女性――それこそ田鶴子に違いなかったが...
海野十三 「千早館の迷路」
...又鬢がほつれて額にかゝつて憐れ氣にションボリと坐つて居る細君の凄艶な姿は能く五十嵐の心を柔らげるに足るのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...この凄艶(せいえん)な雪の上に嬉々(きき)として戯(たわむ)れ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...明星のひかりが凄艶...
種田山頭火 「其中日記」
...そうした顏の並んでいるなかでうっとりと上氣してほとんど凄艶の美をすら帶びたカテリーナ・フェドセーヴナの顏が...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...言いようもなく凄艶(せいえん)を極めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...くり返しくり返し執拗に出て来る妖悪凄艶な主題が...
野村胡堂 「死の舞踏」
...洗髮の凄艶なる姿――本所に住む...
長谷川時雨 「下町娘」
...なかなか凄艶(せいえん)な感じに見せる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ましてや仲之町張りの凄艶の美人小夜衣を今語るには...
正岡容 「寄席」
...凄艶(せいえん)といいたいくらいである...
山本周五郎 「半之助祝言」
...凄艶な工女がひとり参木の方を睨んでいた...
横光利一 「上海」
...見るからに凄艶な年増女であった...
吉川英治 「大岡越前」
...今日はまた凄艶(せいえん)なべつな美を見つけ出していた...
吉川英治 「私本太平記」
...凄艶(せいえん)なお綱の顔を見たであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...いっそう凄艶(せいえん)という趣(おもむき)が深い...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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