...もはや完膚なしと見るといつせいに引き揚げてさらに他の作に群つて行く状は凄愴とも何とも形容を絶した偉観である...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...まるで西洋の悪魔が無人島に流されたような実に凄愴(せいそう)な顔をした辻川博士だった...
海野十三 「地球盗難」
...むしろ凄愴なるが...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...凄愴とでもいふ感じである...
太宰治 「津軽」
...事件に附帯した凄愴たるに過ぎない...
田山録弥 「文壇一夕話」
...その凄愴(せいそう)な顔を見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...雲少しく散ずれば朦朧たる峻嶺面を壓して凄愴膓を斷つ可く...
長塚節 「草津行」
...ところが妙な事はこの滑稽(こっけい)を挿(はさ)んだために今までの凄愴(せいそう)たる光景が多少和(やわ)らげられて...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...プレリュウドのなかの凄愴な或るものなどが...
堀辰雄 「「エル・ハヂ」など」
...磅(ほうはく)している凄愴(せいそう)の気魄はさながらに鉄と火と血の中を突破して来た志士の生涯の断面そのものであった...
夢野久作 「近世快人伝」
...米が一升(しょう)十銭といったような言葉がまだ六歳の私の耳に一種の凄愴味を帯びて泌み込むようになった...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...凄愴の気(き)はみちている...
吉川英治 「上杉謙信」
...門人たちに支(ささ)えられている面色凄愴(せいそう)の新九郎の面(おもて)をじっと見て...
吉川英治 「剣難女難」
...凄愴(せいそう)なおめきが応(こた)えた...
吉川英治 「私本太平記」
...凄愴(せいそう)な面色を醒まして...
吉川英治 「私本太平記」
...ここの揺れる甍(いらか)の下を凄愴(せいそう)なものにしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...凄愴(せいそう)なしじまの下に...
吉川英治 「平の将門」
...この世のものとも思われない凄愴(せいそう)な谺(こだま)を呼んだ...
吉川英治 「源頼朝」
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