...同時にまた海は右舷(うげん)全体へ凄(すさ)まじい浪(なみ)を浴びせかけた...
芥川龍之介 「三つの窓」
...かの狂暴残忍なローマの先人たちよりも更に物凄い死を遂げた...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...白泡物凄(ものすご)く涌(わ)き返るさま...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...杖(つゑ)の音(おと)が物凄(ものすご)く耳(みゝ)に響(ひゞ)く...
泉鏡太郎 「怪力」
...天が凄まじい高さで拡がっている...
梅崎春生 「風宴」
...うわッはッはッはッ」その物凄い咆哮(ほうこう)に和(わ)するかのように...
海野十三 「雷」
...お願いでござりまする」その声は悲痛凄愴(せいそう)を極めたのであった...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...無数の鱒魚が滔々(とうとう)として物凄(ものすご)く山谷に響きわたって...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...こういう時には一層消防夫(ひけし)の働きが凄(すさ)まじかった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...七代信寧の宝暦ならびに天明の大飢饉は津軽一円を凄惨な地獄と化せしめ...
太宰治 「津軽」
...やがて部屋の正面の暗い闇にピシピシと凄じい音を立てゝ...
谷崎潤一郎 「少年」
...空に輝く眼の光が益々凄(すご)くなって来る...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...何んとなく凄まじい美しさがあるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中空(なかぞら)に凄じい翔(かけり)の音が聞え...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...あの一団が向方の街道を巨大な猪(いのしし)のような物凄さでまっしぐらに駈出してゆくのが窺(うかが)われた...
牧野信一 「鬼涙村」
...彼の調子は静かだが凄味があった...
山本周五郎 「風流太平記」
...その形相があまり物凄いのでスピッツは彼をたしなめることは見合わせねばならなくなつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...彼の凄(すさ)まじい声も打消すほど...
吉川英治 「山浦清麿」
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