...折から凄じい嵐があつて...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...と思うとまた、その中に旗のようなものや、剣(つるぎ)のようなものも、何千何百となく燦(きらめ)いて、そこからまるで大風(おおかぜ)の海のような、凄じいもの音が、河原の石さえ走らせそうに、どっと沸(わ)き返って参りました...
芥川龍之介 「邪宗門」
...凄(すさま)じいのを知って驚く……春の雨だが...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...一と聲物凄い響きが渠のあたまの中でしたかと思ふと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...其処(そこ)に従来類例無き凄壮なる争覇戦が起り...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...その時の顔の凄さったらありません...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...荒々しいことや凄じいことより知らぬ者が蘭麝(らんじゃ)のかおりなまめかしい御前へ出ましては...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...槍を揮ひて戰ひて恐怖を知らぬ勇士たれ!凄き鬪戰心せよ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...凄慘な美しいものさへ釀(かも)し出して居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妾お小夜の死の顏の凄まじさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...全体がもの凄(すご)い不可解な光輝のなかにひたされているのであった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...蒸汽の音は駄馬の吐息のやうに物凄かつた...
牧野信一 「熱海線私語」
...倏忽(たちまち)戸外(そと)に凄じい騒ぎが起った...
松本泰 「緑衣の女」
...いつもの凄(すさ)まじい沈着を失わずに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「それでもあなたには御兄弟の情がおありなのですか」こうきめつけて凄いような眼をした...
山本周五郎 「思い違い物語」
...その皮膚は素焼の陶器のように、全く光沢(ひかり)を失って、物凄い、冷たい眼の光りばかりがハタハタと女を射た……...
夢野久作 「暗黒公使」
...何だか凄い娘じゃありませんか...
吉川英治 「江戸三国志」
...それは死人のように物凄いものではあったが...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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