...細尾峠から神子内を経て流れてくる沢は清冽であるのに...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...凜冽(りんれつ)たる朔風(さくふう)は門内の凍(い)てた鋪石(しきいし)の面を吹いて安物の外套(がいとう)を穿(うが)つのである...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...清冽(せいれつ)な鏡川(かがみがわ)の水がさざ波を立てて流れていた...
寺田寅彦 「涼味数題」
...清冽の水迸るかたへ葉廣きプラタンの樹の下...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...勿論この文化哲学はあまり清冽でない体臭を放っている...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...最初之を取り上げたものは、評論家では大森義太郎、清沢冽、馬場恒吾、其の他であり、政客としては、労農無産協議会の加藤勘十等である...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...唇に清冽な感じが来た...
豊島与志雄 「春盲」
...岩肌の上を流れおちる水は、清冽だが、殆んど音を立てない...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...清冽な池水の中に泳がせておけば...
豊島与志雄 「文学以前」
...仰げば身も冽(しま)る程である...
永井荷風 「里の今昔」
...オペラは欧洲の本土に在っては風雪最(もっとも)凛冽(りんれつ)なる冬季にのみ興行せられるのが例である...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...水も近間に清冽な岩清水が落ちるし...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その清冽なものは...
原民喜 「死のなかの風景」
...水、清冽に過ぎて、渇いた旅人でも掬うこともできぬかのよう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...清冽な水流がある...
北條民雄 「道化芝居」
...清冽(せいれつ)掬(きく)するに堪えたる涙泉の前に立って...
穂積陳重 「法窓夜話」
...凛冽(りんれつ)という文字のぴたりはまるもので...
山本周五郎 「新潮記」
...膝ぶしまで浸(つ)けた清冽(せいれつ)は氷よりも冷たいものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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