...妹は冷静な女で、決して自殺するような弱い女ではありません...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...一チュウドル娘の冷静な鼻の前で...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...とても冷静な気持なんかで居られるものでない...
太宰治 「黄村先生言行録」
...彼は人間を超越した冷静な眼付でじっと私を見つめていたからです...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...此の機に乗じて筑摩家を亡ぼしてやろうと云う冷静な打算と胆略とが知らず識らず働き出したことになるのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...冷静なる司直の手もまたいくぶんこれに刺激されてその活動を促進されることがないとも限らない...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...なにゆえとかこのゆえとか云うのは事件が過ぎてから冷静な頭脳に復したとき当時を回想して始めて分解し得た智識に過ぎん...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...茶谷金弥は極めて冷静な調子で...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...彼は甚(はなは)だ冷静なるをもって知られたるに...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...あの冷静な外交振りも...
平田禿木 「趣味としての読書」
...ごく冷静な態度を強いて装っていたつもりですが...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...あのくろうとらしく冷静な是認の気持で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...神聖で冷静な奉仕へもどりたくてたまらなくなるのだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...あの誇らかな冷静な人々を嘆美します――しかし彼等をうらやましいとは思いません...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...しいて冷静な態度を見せて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そこでプラトンが「冷静な人間は詩の門扉をたたいても無駄だ」と言うと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...決して冷静な科学や知性のみでは推進できない...
矢部貞治 「政治学入門」
...惺窩や蕃山は冷静な学者であって...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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