...兄妹中で最も冷静な現実主義者で...
太宰治 「ろまん燈籠」
...彼は人間を超越した冷静な眼付でじっと私を見つめていたからです...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...そこにはまた交通巡査のように冷静な猶太(ユダヤ)人の給仕長があった...
谷譲次 「踊る地平線」
...被告席に立った冷静な態度の質素な彼の姿...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...至極冷静な――一定の色調はあるが――報道機関をその理想としているかのように見える...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...事象の如何にも客観的な依怙ひいきのない冷静な見方のようであるのだが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...貞子は至って冷静な表情をしている...
外村繁 「澪標」
...」彼はその冷静な唯物主義にすこぶる驚いた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...冷静な自己曝露というものは人の同情を得はしない...
豊島与志雄 「道化役」
...ほとんど真っ直な体躯(たいく)と震える声とを持っているこの冷静なG(ゼー)は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これに反して広重の態度は終始依然として冷静なるが故にやや単調に傾き変化に乏しき観なきに非(あら)ず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...銃士は感情の翳の差さぬ冷静な面持で...
久生十蘭 「魔都」
...あの冷静な外交振りも...
平田禿木 「趣味としての読書」
...「いつもあんな風に冷静なのですか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...国民の冷静な判断にまつよりしかたがない...
宮本百合子 「新しい潮」
...片っぱすから戦争へ出して殺しっちゃえば世話はいらないんだ」極めて冷静な酷薄な調子で云った...
宮本百合子 「刻々」
...おなじように冷静な彼女と向い合って椅子に就いた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...すぐにまた医者らしい冷静な威容を作って...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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